古書店と1437(140字小説)

塩塩塩

古書店と1437

古書店の男は言った「そりゃ掘り出し物だ。昭和54年に忽然と姿を消した旅客機ですよ」

私は開いた辞書の中央辺りの頁に、押し花の様に飛行機が押してあるのを見付けた。

押し旅客機の中で大勢の人が手を振っている。

私は辞書を買い上げ、乗客乗員1437名を解放した。

辞書には無人の飛行機が残った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

古書店と1437(140字小説) 塩塩塩 @s-d-i-t

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ