第3話 放課後はナンパの時間?

キーンコーン


今日の授業もこれで終わりだ。

毎日毎日、特にこれといって変わった事も何もなく、ただ時間だけが歩みを進めていた。


「奏ー今日の放課後クラスの男子で遊びに行かね?」

「涼か、ああ僕も行くよ。」

「おっけ!みんな奏も来るってよ!」

「これでみんな揃ったな!高校なってこういうのなかったから

 マジ楽しみだわー!!」


今僕のことを遊びに誘ってくれた人が、うちのクラスの中心でもある西島涼にしじまりょうだ。

僕も全く友達がいないってわけでもなく、クラスの男子とは割とよく喋る。

まあ遊びに行くことなんてなかったからちょっぴり嬉しかったりもするんだけど。


「ごめん長野さん。今日クラスの男子達と遊びに行くことになったから

 部活いけない」

「そかそか!じゃあ今日はoffってことにしよっか!」

「そうしてもらえると助かる」

「楽しんできなよー」

「おう」


こうしてクラスの男子、計7人とそこそこの大所帯で遊びに行くこととなった。


「誰かさー可愛い子か他の学校の女子集団いたらナンパしね?」

「言い出しっぺがまずはやれよー」

「そうだそうだー!」

「マジかよー しゃーねぇ男見せたる!」

「おおー!カッケー」


すごいくだらない。男子高校生のノリが若すぎる。

けどこういうバカみたいなことしてる時ってやっぱ楽しいな


そんなことを考えていたら、早くもターゲットを見つけ、ナンパが始まってしまった。


「お前ら邪魔すんなよーまじ男見せっから。あ、やっぱ田中お前ついて来て」

「おいチキンなってーww 田中は見てるだけでいいからな」

「僕何も言わないからね?」

「分かってるって」


今からナンパをしに行くのがクラスのお調子者の長谷川陸はせがわりく

そして連行される一見可哀想な奴が田中優たなかゆうだ。


ナンパのターゲットはどうやら近くを通っているうちの学校近くにある女子校の生徒7人組だ。みんなすごく整った顔をしていてどことなく上品な雰囲気を醸し出している。


そして遠くから見ているうちのクラスの男子達が口を揃えて言っている。

「え、可愛すぎじゃね?」

本当だ。よく見ればみんなめちゃくちゃ可愛い。


そして遂にしゃべりかけた。


「あのーもし良かったら今から一緒に遊びませんか?」


めっちゃ低姿勢だな。

さっきまでの威勢が全くない。まあさすがにあの顔面偏差値と人数に長谷川君も怯んだか。


「別にいいですけどあの後ろいっぱいこっち見てる人たちも一緒ですか?」

「マジスカ!あ、はいあいつらも来ます!」

「わかりました!じゃああそこのファミレスでもいきますか!」

「り、了解です!ちょっと呼んできますね」

「はいっ!」


どうやらナンパは成功したらしく、今からファミレスでまるで合コンかのようなイベントが始まるのだった。






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少女を愛した少年。少年に恋した少女。 紡 白羽 @shiroha468

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