一人前の天使になるため、人間界に研修にやって来た、見習い天使のユア。
普通の人には見えないはずのユアをなぜか見ることができるのが、男子高校生の健次郎と、クラスメイトの女の子の柊木です。
ユアと出会い、仲良くなった彼らは、ユアの課題である悪魔退治を手伝っていきます。
悪魔退治といっても、剣や魔法で戦うのではありません。殺虫剤のようなスプレーを吹きかけてやっつけるのです。
このお話ではたくさんの天使のアイテムが出てきますけど、そのネーミングが非常に個性的で、作者様のセンスの良さがうかがえます。
そして、物語を彩るキャラクターも、本作の魅力。天真爛漫で可愛げのあるユアや、一見物静かに見えて、実は少し……いいえ、かなりぶっ飛んだ性癖の持ち主である柊木さん。仕事を手伝う傍ら、繰り広げられる彼女達の愉快な会話には、何度も笑わせてもらいました。
作品のタグを見てみると、このお話はファンタジーが6割、コメディが4割とのことですが、4割のコメディが良い仕事をしてくれているのです。
そして、ファンタジー部分も忘れてはいけません。次々に出現する悪魔に、健次郎やユアがどう立ち向かうか。
ハラハラと笑いがつまった、楽しいお話です。
初恋の相手への告白を目前に控えた、ごく普通の高校生、石塚健次郎。そんな彼の前に現れたのは、自称見習い天使の少女、ユアでした。
一見、普通の女子小学生にしか見えない彼女ですが、天使であるのは本当。そんな彼女に振り回されながら、やがては人々を脅かす悪魔と戦うことになっていくのですが……
悪魔との戦いなんて書くと、けっこう過酷な内容に思われるかもしれませんが、コメディ要素もとっても多め。実際タグにも、『ファンタジー:コメディ=6:4』と書かれています。そしてタグと言えばもうひとつ、『BL 女子とか書くんじゃなかった(後悔)』なんてのもあるのです。ということは、つまり出てくるのです。BL女子が。
しかも、その描写が凄いのです。途中、BL女子が熱く、強く、激しく語る場面があるのですが、その前後の話の流れを忘れるほど。
書かれている割合で言えば、さすがに本作のメインストーリーである天使や悪魔の話よりは少ないですが、与えるインパクトはそれと同等、いえそれ以上かも。
もちろん、天使のお話としての本分も全うしているので、ファンタジーが好きな方も、BLコメディ好きな方も、両方にオススメできます。
正天使になるため人間界へやってきた見習い天使のユア。
そこには本来ならば掃除されているはずの小さい悪魔がいて……。
ちょっと勘違い野郎の石塚くん、BL大好き柊木さん。
かなりエッジのきいたキャラと一緒にユアは活躍します。
可愛い幼女系の容姿で悪魔退治用のスプレーを振りまく様子は、イメージするだけでも大変微笑ましく。
悪魔の姿も……ネタバレになるので言えませんが(笑)、超高速移動する○○○○。
もう想像するだけで恐ろしい、いや、でも、そこもやっぱりコミカルで暗い気持ちにはなりません。
天真爛漫なユアちゃんですが、背負っている過去は必ずしも明るいものだけではなく、胸がきゅんとしてしまうような真実も……。
いろいろな要素がてんこ盛りで、完結してしまうのが惜しまれる、そんな名作です。^-^