最後の最後でしんみりした雰囲気とかがすべてぶち壊しになるホラー掌編。いや、マジで誰だよお前。
こういう感覚の経験がある人は多いと思います。ばっちりホラーなんですけど、内面をしっかり丁寧に描かれているのが良かったです!!!
空気が切り替わる瞬間の描写に舌を巻きました。すばらしい衝撃を食らった。
兄を亡くした主人公は実感がわかない。まだ近くにいそうな兄を想っていると部屋になにやら気配がして―― 定番のホラーかなと思って読み始めたら…… そっち!? と驚かされました。
途中までハートフルストーリーっぽいんですよ。兄を亡くした弟が、両親のために気丈に普段通り振る舞って、でも日常生活の色々な場面で兄の気配を感じるように思えて。自分の中で兄の存在がどんなだったのかを自覚した時、初めて自分の気持ちに素直になれたのに・・・最後の最後で崖から突き落とされたような感じです。