画面を消して。ガジェットを外して。


 部屋を出る。ふたり。


「小物だったな。いろんな意味で」


「まあ、初めてにしては上出来じゃねえかな。猫はちゃんと生きたまま官邸に送信できたし」


「はやく化け物とやらに会ってみたいもんだ」


「おい。冗談じゃねえぞ俺は。話によると、官邸の用意した第一倉庫メインストレージ丸々喰っちまうほどの大きさだっていうじゃねえか」


「そういうやばいのとぎりぎりで戦うのが、やっぱ最高だろ。それでこそサイバー戦闘よ」


「無理だぜ。むりむり。この前のやつも暴れ出したら社会基盤インフラ全落ちだったかもしれないんだぞ?」


「でも暴れる前に倒されてる」


「そりゃあ、退治した相手が凄かったんだろ。二人組らしいって話だ」


「俺たちと同じか」


「なんか。サーバでビール冷やしてるらしい」


「は?」


「いや、俺もよく分からん。最近ビールサーバ届いたって。ほら。SNSに書き込まれてる」


「サーバでビールをねえ。ばかじゃねえの?」


「それぐらいぶっ飛んでないと化け物の相手はできねえのかもな。俺たちはせいぜい、手に持てる程度の武器だけだ」


「俺はハルバード」


「俺はリボルバーだ。倒せる相手は限られてるのさ」


「じゃあ、筋肉量増加CPU拡張しか、ねえな」


「持てる槍の本数増やしてどうすんだよ」


「お前は球数と変化球増やせよ」


投手ピッチャーじゃねえんだよ」


「あっビール呑みたい」


陶器製容器ビールピッチャーでもないから。まあ、仕事も終わったし、行くか。呑みに」

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リボルバー & ハルバード 春嵐 @aiot3110

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