第14話練習試合その3

安地の移動を終えたが、体力的にかなりの疲労がのしかかってきていた。



1時間近く歩き続けてきるので当然の事だ。



俺たちは物陰に隠れて作戦会議兼、休憩をする事にした。



「今安地は皇居ぐらいの大きさ、パーティーは自分たち含めてあと4パーティー。他の3パーティーはかなり実力をもっているようだ。俺たちが残ってこれたのは奇跡みたいなもんだな」



「気を抜いたらすぐやられるわよ。行動は最新の注意を払って」



「移動はあまりしない方がいいですね。相手が戦っているのを見計らって攻めるのもありじゃないでしょうか。」



「いや、圭一。あまりリスキーな事はしない方がいい。順位を取った人が勝つゲームなんだから」



「本番で最多キル賞とるための練習にはなると思うんですけどね」


佳奈のその言葉に違和感を覚えた。



最多キル賞?そんなのあったっけ。



「最多キル賞なんかあるのか?」



「え?聞いてなかったんですか?賞金100万円のやつ」



「まさか、またちゃんと話聞いてなかったの?」



「全然聞いてなかった」



「ほんっとこの人にリーダー任せて大丈夫なんかな」



朱里は呆れるように言った。



なら練習だし、戦う練習をしておくことは大切だろう。



「じゃあ、とりあえず安地の真ん中辺りまで場所移そう」



と、物陰から出ようとした時。



俺は正面に敵を発見した。



「敵だ、下がろう」



まだ相手にはバレていない。



「さっきの要領でいこう」



ダダダダダダっ!



俺と圭一が物陰から半身を乗り出し、アサルトライフルを撃ったが距離がそれなりにあったため、当てることが出来なかった。



再度隠れてリロードしようとしたその時だった。



バンッ!!



相手がほんの一瞬で狙って撃ったスナイパーライフルは圭一の頭にヒット。



スナイパーは頭に当てると1発で200HPを削られるので圭一は1発アウトになった。



アウト者は持っている物資を全て地面に置き、瞬間移動システムで区役所まで帰るシステムになっている。



「すいません!頑張ってください!」



圭一はそう言い残した。



かなりの実力を持つチームのようだ。



俺は佳奈のスナイパーライフルとショットガンを交換し、相手を狙った。



が、かなりの距離があるのに相手はアサルトライフルを発砲、そして命中させてきた。



たった数秒の事なのに相手はその隙を逃さずアサルトを全弾当ててきた。



俺は為す術なく、ダウンした。



「かなりの実力があるチームだ!気をつけろ!」



しかし俺は区役所についてすぐチーム順位の確定連絡をもらった。



結果は4位。



完全に格の違いをみせつけられた。



しかし、体力面、技術面でたくさん課題を見つけることが出来た。



「今回の結果を踏まえて残りの1週間も頑張ろう!!」



俺たちは本番に向けて新たな1歩を踏み出した。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

東京バトルロイヤル @kaoru-miyatuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ