第一詩

「りんちゃん」

 誰かが私の名前を呼んでいる。

 とても優しく愛おしそうに。

 だが、相手の顔には靄がかかっている。

 誰だかは分からないが

 呼ばれていて心地がよい。

 私は相手を確かめようと返事をしようとする。


 その瞬間、靄の向こうの誰かが見えなくなり、視界が赤く染まる。そして自分の手のひらも服も世界の全てが赤く染まる…


 はっと目が覚める。いつもの見慣れた曇り空のような天井だ。またいつもの夢か…そんなことを思いながら少女は今日も目覚めた。小さい頃ーと言っても9歳頃からなのだがかれこれ8年毎朝同じ夢を見ている。暖かいけど目覚めると頬に一筋の雫が伝っているような不思議な夢だ。夢について考えるのはいつからかやめていた。そう思考を停止しながら少女は学校へいこうと身支度を始めた。




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約束 @Pankiti

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