第10話:滅亡・ライラ枢機卿視点
わずかに王家に忠誠を示した貴族士族、いや、降伏しようが味方に付こうが許されないと考えた貴族士族、聖女教皇猊下を陥れた者達は抵抗した。
王太子と王太子妃に近しい者達も抵抗した。
噂では、降伏したい味方したいと申し入れたが断られたと聞く。
ウェールズ王国内では、その者達を許せば天罰が解かれないという噂が流れていたというが、その噂を流したのが誰なのか、考えないようにしている。
王家はついに聖女教皇猊下に詫びを入れてきて、王太子の廃立と王太子妃の処刑、ユンナン公爵領の教会寄進を申し入れてきたが、遅すぎる決断だった。
それに本気で詫びるなら、王太子の処刑と王家領の半分は寄進すべきだった。
結局ウェールズ王家は滅びる運命だったのだろう。
王族は誰一人許されることなく皆殺しにされた。
先に虐殺された貴族士族と同じように、あまりにも惨たらしい方法で。
ある令嬢は前後上下から平民に犯された。
全ての粘膜が炎症を起こして腫れあがり、激痛のあまり正気を失い、それでも犯され続け、最後は大量出血を起こしてやっと死ねたと聞く。
ある令息は裸にされて松明を持つ平民に囲まれ、身体中に松明を押しあてられた。
火傷の激痛でのたうち回り、徐々に体の火傷が広がり、火傷の上から更に松明を押しあてられ、二日二晩苦しめられて死んだそうだ。
王太子と王太子妃も当然散々嬲られたが、誰かがそのままやり殺しては神の怒りが解けないと言い出したので、一旦凌辱が中止され、爪を剥ぎ指を折り炎症をおこした穴という穴に塩をすりこまれたそうだ。
そのあまりの激痛に、王太子と王太子妃は何度も何度も殺してくれと哀願したそうだが、決して許されることなく、最後は興奮させた雄犬、雄豚、牡馬、雄牛に体も心も穢されて死んでいったそうだ。
そのような処刑方法を誰が考え彼らに伝えたか、私は考えない事にしている。
「ライラ枢機卿、ここの事は任せますよ」
「聖女教皇猊下のお帰りの日まで預からせていただきます」
聖女教皇猊下が、全土が教皇領となった旧ウェールズ王国に向かわれる。
ウェールズ王家との戦いに勝った貴族と民は判断を間違わなかった。
自らの領地も含めて、国ごと教会に寄進したのだ。
まあ、ずっと雪の積もる土地を領地に持っていても、麦一粒も収穫できない。
一国全てを教会領にされた聖女教皇猊下に逆らえる者など誰もいない。
それだけに、聖女教皇猊下に取り入ろうとする者が後を絶たない
まあ、聖女教皇猊下に取り入ろうとする者が生き残れる事はないが、それでも慎重であることは大切だ、私も言動には注意しなければ。
婚約破棄から三年、聖女に選ばれたから側室にしてやるですって、滅びやがれ! 克全 @dokatu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます