第11話 恋の不幸

 中学の頃に俺は能力育成学園に入学する事になった。本当ならもっと早くに入学すべきなのだが、うちの母は厳しかった。俺の父さんは光導隊だった。だが、俺の物心つく頃には死んでしまった。母は強くなれと不力を持っている僕に厳しく接するようになった。不力を持っているとわかっても小学生までは能力育成学園に入ってもあまり鍛えないので入学を断っていたらしい。毎日毎日走って、筋トレして、能力の練習をしてきた。なのに俺には才能がなく同い年よりも少し強いぐらいの強さにしかなれなかった。勉強もしっかりしていたのでテストは全て100点だった。それを母に見せるたびに「当たり前」と言われる。じゃあ何が当たり前ではないのか、色々考えるが小さかった俺にはわからなかった。そして、中学になる頃に僕は能力育成学園に入学する事になった。俺のことを学園側は車で迎えに来るらしい。迎えに来る前日でも特別な飯を食べるのでもなく、会話のない静かな空間でいつもの飯を食べた。俺も母と離れる事が悲しくはなかったし、これからの生活が変わるとも思わなかった。

 迎えに来る当日。俺は玄関にあった自分の荷物を持ち靴を履く。母は俺を後ろから見ている。見守っているのではなかった。俺の事はどうでもいいのか。そう思う事はもうなくなった。そして玄関を開け前に進む。車はもうすでについており、車からは園長が降りてきて母に少し挨拶をした。隣で母は無関心そうに聞く。もう慣れた。涙は流し飽きた。そして話は終わり車の中に入ろうと、玄関を出ようとする。だが、僕の手を誰かが握り前に進む事ができなかった。後ろを向くと泣いている母の姿。

 「お願い。立派な隊員にならなくていいから生きて帰ってきて。私はあんたに酷いことばかりをしてきた。私が嫌いなのかもしれない。それでもいいからお願い。死なないで」

 母は俺の手をおでこに当て、泣いている。

 ごめんな。俺約束守れなかったよ。





 正直危なかった。

 ポポリンは武蔵の首に尻をつきながら武蔵の胴体を食べる。みるみる力が溢れてくるのがわかった。普段ならそれに興奮するはずなのに、今は死への少しの恐怖があった。心臓が未だに強く弾んでる。動いて体が熱いはずなのに腹の中はとても寒い。

 爆弾をつけられたあの時、ほんの少しの迷いがあったら僕は死んでいた。

 あの時俺は一瞬でワープゲートを作って自分の核だけを遠くにワープさせた。体の全てを再生したんだ。かなりの体力とダークミストを使った。こいつ(武蔵)を食べて少しの体力とダークミストは復活する。

 そろそろいいところかな?

 ワープゲートを作り状況を見てみる。

 すげー

 結構強い悪魔送ったつもりだったけど無傷で倒しちゃった。声だけ送って強い風にして焦るかと思ったけど意外と冷静。

 だから戦闘が終わる気が抜ける。

 ポポリンは武蔵の腰についていたナイフを抜き大介の心臓にワープゲートを作り、刺した。 

 「わーーーーお」

 避けたか。大介は間一髪で避けたが腹には刺さった。

 すごいなーみんな。本当に強い。

 今からあの炎使いを殺しに行っても致命傷になってないだろうから、今の僕なら負けるかもしれない。なら磁力を使う女を食べてからにするべきか。万が一あの攻撃で倒れてたとしても磁力使いの女を食べてからでも遅くはないだろう。

 ほいっと。

 ポポリンは立ち上がり、深呼吸をした。

 少し回復したし、こいつの首を持っていったら、あの磁力女に勝てるだろう。

 そして必ず



       慎吾君を殺す



 その頃慎吾は大量の悪魔に囲まれてた。

 「なんだよこの量」

 見ただけで50以上はいる。

 無視して行こうとするが足を掴まれ、攻撃される。全滅させないと先に進めないと思い戦闘態勢に入る。

 

 

  あと風慎吾が助けに来るまで8分18秒


 

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特報 悪魔人間出現 名無しのポチ @taku62560

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