夢と幻想 overflow.

&α ここにある幻想.

「あなたは。誰？」

微笑んだ、顔。きれい。

「わたし。わたしは」

わたしは。

なんだ。

昨日はお茶漬けとフレークを食べて。その前はカレーで。あれ。カレーとソファの洗濯、どっちが先だっけ。

「わたしは、ずっと。ひとりだったの」

なにかしゃべってる。聞こえない。

「きこえない。もっと」

もっと近くへ。近付きたい。

話がしたい。

声を聞きたい。

「あなたは」

微笑んだ、顔。ちょっとだけ。さびしそう。

「あなたの声を。きかせて」

手が伸びてくる。細く。それでいて、やさしい手。

「必ず。会える。探してみて」

それだけが、聞こえた。

目を開く。

なぜだか分からないけど、泣いていた。

「夢」

どんな夢だったんだろう。

全然。

思い出せない。

「それでも」

なにか。

なにかしないと。

いけない気がする。

ベッドから跳ね起きて。

シャワーを浴びて。

ごはんを食べて。

着替えて。

外に出た。

「なにか、やらなくっちゃ」

雨は、まだやんでいないけど、小降りだから。

歩ける。