第2話

地響きが轟く、空が割れるそんな巨大モンスターを目の前にして、自分はなんでこうなったんだっけ、と思いちょっと思い出してみた。

 (頼み?)

「そうだ、お前に頼みがあるまず王都に行き、冒険者登録をして来たあと我らが幹部達を救い出してほしい。そして、王を倒してきて欲しい。」

は?何言ってんだ、コイツ。え?王を倒せ?なんの為に?そう思っていると突然、魔王と言っていた奴がこう言い出した。

「何言ってんだ。って感じしてるなまぁ、無理も無い。順を追って説明していく、まずー」

(ちょ、ちょっと待て!)

「なんだ、急いでいるんだが。」

(まず、ここは?いや、この世界は何だ!?)

「ここは異世界、魔法やモンスターや神が存在するそんな世界だ。」

「そして、……

真剣な雰囲気を漂わせながら、そいつは言った。

この世界を、我々を救ってくれ!」

自分はあまり、良く分からなかったが一つだけ感じたことがある。本気だ、本気で世界を救おうとしている!こいつは!!だからこう言った。

(分かった!)

(で、まず王都に良いんだな。)

驚いたような顔をして魔王が言った。

「あぁ、そうだが良いのか……こんなに軽く死ぬかもして無いんだぞ。」

(あぁ!良いさ!)

魔王は泣きそうになりながら、“ありがとう”と言った。

 「お前には、この世界のことを教えておく。まず、この世界には[スキル]がある。例えば、お前のスキルはテレパシーだ。鎧になったお前には良いスキルだったな。テレパシーは心の声が聴こえたり、自分の声を聞かしたり出来る。」

(だから、自分の声が聴こえてたのか。)

そして、続けて魔王は言った。

「そして、スキルは一人一つだ。だが他にも魔法がある魔法は魔力を消費する、だから使い過ぎには注意しろ。」

「そして、これが一番重要何だが本当に良いんだな。」

コクリと自分は頷いた。

「よし、最後の王を倒せと言う事だがまず、王都にはもちろん王様がいるそしてその王様は神だ。」

(神⁉じゃあ、何だ?自分に神を倒せと?)

魔王は頷いた。

「そして、その王様は王都の中央にいる。何故、倒さなければいけないというとだな、この世界の人々を殺そうとしている。」

!?何故、人を殺す必要があるのか、そんな事を考えていると一つ思い出した。

(そもそも、人を殺すとかそういうのは魔王側じゃないのか?)

そうだった、あんなに本気で言われたから忘れていたけれど、コイツが本当だったら悪の権化“魔王”だ。

「僕は人を殺してない。もちろん、僕の部下達も、まぁ今は操られていて殺したり非道な事をやってるかも知れないけど……」

嘘では無いそう確信した。この言葉でただ気になる事があった。

(操られている?)

「あぁ、そうだ僕の部下達は全員操られている。王の仕業でな。」

(お前なら、解けるんじゃないのかその魔法か、スキルか分からないが)

魔王は悔しそうな感じでこう言った。

「僕はこの城から出られない。それが僕に掛けられた呪いだから。」

(呪い?)

話を聞くと魔王は、王様によってある呪いを掛けられたらしいその呪いと言うのが魔王城から出たら、自分の眷属が死ぬと言うものだった。魔法やスキルも使えないようだった。

(で、何で神様が人々を殺すんだ?普通、守る側だろ。)

魔王は言った。

「王は、再生するんだとさ世界ごとだから、汚くなってきた人々を殺すんだよ。だけど、この世界には魔王がいる。たとえ、人々がきれいさっぱり失くなっても、魔物がいる。だから王になって勇者を召喚し、この僕まぁ魔王を殺す。そしたら、魔物も人々もいなくなる。」

そして、魔王は鎧の事を話し始めた。

「その鎧は実はと言うと、物凄く弱い。だけどその鎧には、ある効果がある。」

続けて魔王は言った。

「“魂の共鳴”」

「その効果がある限りお前はどんな強敵にも心で勝てる。人が着て気持ちが同じだったら、2倍にも3倍にもなる。ただ、その逆は力、ステータスも下がる。気をつけろよ。」

忘れていたみたいな感じを出してこう言った。

「そうそう、お前はちょっと特殊でお前何で創られたと思う?」

そんな当たり前の質問にこう自分は答えた。

(鉄じゃないの?)

魔王は首を横に振った。

「正解は感情だ。お前は感情と言う無限の力で創られた。」

「私は王に対抗すべく、魔法を使い我が感情を全て使い、鎧を創った。今では笑うことも出来ん。ただ、それほどの事だと思って欲しい。今では、少し回復してきたがな。」

分かってるよ。そんな事、そんなことを言いながら聞いていた。

「そして、最初はまず、冒険者登録した後ドラゴンを救ってほしい。救うと言っても弱らせてお前がドラゴンの鎧に変身して、着ればいいだけだ。それが最初。」

救えたら報告らしい。

「あと、もう一つコイツも連れて行ってやってくれ。」

そう言うと、後ろから黒髪の可愛らしい女の子が出て来た。

「コイツは俗に言う奴隷ってやつだ。コイツは魔王軍じゃ無いから、操られてないけど過去にちょっと色々あってなまぁ、ここに居るよりかは連れて行ったほうが安全だと思うのだが……」

様子を伺いながら言ってきた。自分は良いよと言った。

 ここが、王都か。


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具ひじ @guhizi

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