第15話 新組織結成
あの武道会の後、俺、フラウ、キリエ、ロップ、スケイル、それとクリス、カーナは学長室に呼ばれていた。
「では、あの時の話の続きをしよう。先ず、君たちの耳に入れておいて欲しい事がある。単刀直入に言おう、ザガン帝国が戦争を起こそうとしているという情報が来た。」
何だと!?ザガン帝国って言ったら軍事力で、この国と同等位の国じゃないか!
更に皇帝が魔王候補位強いって話だし、こりゃやばいな。
最悪この国が潰される!確かに大ごとだな。
「で、だ。対抗策でうちは学院を守護する組織を設立しよう思う」
「では、今から配員をするんですか?」
「いや、もう決めてある」
「そうなんですか!?」
「先ず、学院の右校舎を守る‘‘右翼部隊‘‘、左校舎を守る‘‘左翼部隊‘‘、学院の共有倉庫を守る‘‘後衛部隊‘‘、学院の寮を守る‘‘前衛部隊‘‘、学院の本部から指示、状況に応じて加勢をする‘‘中央部隊‘‘。最後に諜報、殲滅、皇帝の首を狙う‘‘特殊部隊‘‘の六部隊に配属するつもりだ」
「では、どういいう分け方をするのですか?」
確かに気になる、それにより勝てる確率を上げることもできれば、下がってしまう可能性もある。
「右翼にフラウ、左翼にクリス、後衛にロップ、前衛にスケイル、本部にキリエ、そして特殊にオウマ。それぞれ隊長として配属される。そして、スカウトしてほしい、君たちから見て優秀だと思う者、必要だと思った者を、そして育成してほしい」
「で、でもなんで私が選ばれたんですか?私、武道会に出てないのに」
「それはね、フラウさん。君たちが、アリスくんのお気に入りだからだよ」
?それは、どういう事だ?
「先生が言っていただろう?旧帝国魔法騎士団長だと、それを私が帝国からスカウトしたんだ、そのアリスくんが気に入った生徒だ、疑う余地なく優秀に決まっているだろう」
「そ、そうなんですね」
そうか、あんな軽い感じの先生だったから完全に、頭から抹消されていた。旧帝国で一番強かった人なのか、学長が直々にスカウトしたほどの魔法師なのか、
「アリスくんが言っていたよ『いやー、今年は凄い子が多いですねー、未だに底が見えない子がいますしねー』って言ってたよ。いあー、最初のころのアリスくんとは思えない程優しくなったなー、感慨深いものがある」
「え、そんなに昔のアリス先生は荒れてたんですか?」
「うん、そうだよ、スカウトした途端『私を誘いたいなら、私に勝ってから誘いなさい!できないと思うけどね。あなたの様なヒョロヒョロなガキに』って言われたから、マジでやったけどマジで負けそうになった。そのせいで、帝国が滅びたのは口が裂けても言えない」
『バリバリ言ってますが!?口からポロッて出てきてますが!?』
「おっと、失礼。で話を戻すけど、そこまで強い君たちを何故部隊に入れないという選択肢があると思うか?」
確かに、そうすれば、それぞれが粒ぞろいな部隊になり優秀な生徒になるだろう。
俺は、何人か目ぼしい奴らがいるしな。
「では、そのように、頑張ってくれ、もしその時が来たら私も戦おうではないか」
『はい!』
こうして、新しい機関の設立の会議は幕を閉じた。
とまあ、これがあの後あったことだ、俺は今スカウトしに来ている、隣のクラスの男の子だ、
「失礼します、ドシャー君はいますか?」
「あ、はい、僕の事です。あのどういったご用件で?」
「ああ、君に話が有ってね。ひとまず、俺に付いてきてくれ」
「は、はい」
こうして、俺はドシャ―君を連れて校舎裏に来ていた、
「改めて、ドシャ―君、君に俺の率いる特殊部隊に入ってほしい」
「???」
「ああ、話をすっ飛ばしたね。実は・・・」
「ええ!本当ですか!?」
「ああ、本当だ、出来ればオフレコで頼むんだが」
「でも、なんで僕なんです?他にも役に立ちそうな人いたでしょう?」
「いや、君の纏っている魔力、並大抵の人間が
そうなのだ。ドシャ―君は小柄で臆病に見えるが実は、古くからとある国の王家に仕える、暗殺部隊の隊長を代々受け継いでいるらしい、ドシャ―君の代で15代なのだ、結構伝統ある家系なのだ、それにあの突き刺さるような魔力の性質、あれは一種の先祖帰りと言っていいだろう、ここまで優秀な人材は、そう簡単に生まれない、魔力やステータスや戦闘能力もあの勇者たちよりも何段も上だろう、そう思えるほどに彼はおぞましい気配を漂わせている。
「そんな事言われたの僕初めてで、でもこの力も役に立つこともあるんですね」
「ああ、俺には君のような人材が必要だ。協力してくれ」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
こうして、特殊部隊の最初の隊員が決まったのであった。――だが、月下たちはまだ知らなかった、学院に迫る魔の手が徐々に徐々に、近づいてきていることを。
第15話終了
いじめられっ子、異世界で最強の魔王の力を手に入れる 厨二赤べこ @sakedaruma
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