ピアスホール

「僕」は「君」の思い付きで、ピアスホールを開けることになった。「君」が開けてくれるらしい。しかし、言い出したのは良いものの、他人の身体に穴を開けるというのは矢張り怖い。なかなか決心が付かないでいる「君」に、「僕」が提案する。
『そうだな、君の心が決まるまで、僕の一年と七箇月の短命な青春についてでも話そうか。』
「僕」の口から語られる彼の半生は、あまりに苦く、歪なものだった。