第16話上の階って本当ですか?!
だだっ広い平原を歩くこと約一時間。俺はついに上の階につながると思われる階段を見つけた。
「この階段を上れば上の階に行けるんだよな?」
俺は顕現させていた神兵を解除すると、先の見えない階段を上りだした。
「いや、長すぎんだろ……」
俺は階段を上り始めてから約五分ほどすでに歩いている。もう息切れしてしまいそうだ。いや、実際にはしないんだけど、こうなんというかそんな気分になるぐらいには階段を上っている。
「あとどれくらい歩けばいいんだよ……」
俺がそんなことを愚痴りだした瞬間、階段の先に光が見え始めた。俺は階段を一段飛ばしで上り、その光に飛び込んだ。その光の先の景色はというと
「うん、まぁ……そんな気はしてたけどよぉ……」
先ほどの階層と全く同じ光景が広がっていた。
「まじかよぉ!」
俺はその場で叫んでしまった。あたりを見渡すと、一面緑の平原。草がそよ風になびかれて揺れている光景になぜか少しイラっとしてきた。
「てかさ! 本当は上の階じゃないんじゃないの?! というかそうであってくれ!」
自分でも何言ってるがわからないが、代わり映えしない景色に飽きたといったところだろうか。俺は【現在地認知】を使用した。
「【覚醒の神住ー九十四階層ー緑広平原ー】まぁでしょうね?! もちろんわかってたけどさ?!」
ハァハァと荒い息を吐きながら俺は叫んだ。
「いやいや待て待て落ち着け俺……わけわかんないこと言ってる場合じゃないぞ」
俺は数回深呼吸すると、改めて周りを見渡した。
「景色から察するにこの九十台の階層は平原のエリアということだろうか。 ということは出現する魔物は変化しないとみていいと」
俺が歩きながらブツブツとそんなことを言っていると、魔物の気配を感じた。
「これはさっきのレッサーフェンリル? いやでも、一体だし
数秒して、俺が察知した魔物がものすごい勢いで走りながら近づいてきた。俺はそれを難なく躱すと、俺に向かってきた魔物に向かって【神眼】を使った。
【レッサーフェンリル強化種】
・
「おいおい……同胞を喰らうってマジかよ」
俺の目には俺をとらえている強化種がいる。爪と牙から鮮血がポタポタと垂れているため先ほども同胞を喰らったのだろう。
「いや、そんなことよりも……」
俺は【神眼】で得た情報を再度見て、叫んだ。
「レッサーなのか強化なのかどっちかにしろよ?!」
俺は大声を上げた。てか、俺叫んでばっかりだな。俺の目の前にいた強化種は俺がいきなり大声を出したことで一瞬ビクッとし、その後姿勢を低くしながらうなり声をあげている。
「グルルルルルル……」
「てか、ふざけてる場合じゃない。 こいつをどうにかしなきゃ」
俺はトランプを取り出し、神兵を顕現させようとした。
「あ、でもこいつ一体だし、ちょうどいいから武器のほうも試しておくか」
俺はJのトランプを取り出すと、高らかに言い放った。
「【武装顕現・神槍】」
俺がそう言うと、トランプが光りだし、光が収まると俺の前に一本の槍があった。俺の背丈の二回りほど大きさに、穂と石突は黄金に光り輝いている。穂の少し下にある口金にはJと刻まれている。
「さぁて、実践と行きますか」
俺は槍を構えて、強化種の方へと向き直った。
世界最強の職業がゲーマーって本当ですか?!~その男は異世界でもチート級に生き残る~ 鏡花水月の幻想 @naroukyouka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。世界最強の職業がゲーマーって本当ですか?!~その男は異世界でもチート級に生き残る~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます