終章最終話

 あのあと。


 俺が真っ先にやったことは、まず地球に帰還して、そして悪魔ダンタリオンを元の状態で出現させることだった。といっても、ダンテである俺とリオンである彼女が再融合したとか、そういうことではない。お互いがお互いにそのままである状態で、もとの悪魔、頭がたくさんあるダンタリオンにも復活してもらったのである。


「ふむ。なかなかの余興であったぞ。余の好奇心は十分に満たされた。その身体と分霊は貴様にくれてやるから、好きにするといい」

「最初からそのつもりさ」


 それから俺は、ダンテの肉体を変化させた。これもペレグリヌスの神威があれば容易いことだった。俺は、ただの人間になった。数十年の残寿命を持つ、外見通りの年齢の、ただの人間に。リオンの方はそのままである。


「ダンテ。……いや。名前は変えた方がいいのかな。どうする?」

「このままでいいよ。今さら変えるのも変だろ。それより、どこで暮らそうか。札幌に家でも買うか?」

「うん……どうしようかな……」

「ウサがここで聞いてるんですがウサ。まあ、好きなだけ好きにしたらいいけどウサ」




【ダリアン】ただの人間


 妖星ペレグリヌス大接近の事件から約一年後、地球に生まれた女の赤子。父の名はダンテと言い、母の名はリオンと言った。健やかに育ち、人としての一生を送った。








 

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ノードリーム・ノーライフ/命無き者の夢 きょうじゅ @Fake_Proffesor

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