ちょっとは加減しろ馬鹿!(しなくていい)

そもそも○郎ラーメンそのものがある種の「馬鹿の考えたさいきょーのラーメン」である。
「美味いものは脂肪と糖でできている」
わかる
「大麻のきもちよ~くなる成分は油にとける」
へぇそうなんだ
「つまり○郎ラーメンに大麻をじっくりことことぶち込むと最高にキまる」
ばぁ~っかじゃねえの!?
ゲームで最大火力や浪漫砲を実現するようなノリで大麻○郎ラーメンとかいう劇物をお出しするんですか!?本当に!?
この馬鹿の考えたブツと頭の良い馬鹿の考えた理論を掛け合わせた馬鹿の乗算だけでもインパクトが十分だが、
そこに典型的なクソ役人への主人公の反応が
「鬱憤を溜めるのはわかる」
「馬鹿野郎……!こいつら蛮族なんだぞ……!死にたいのか……!」
という共感した視点に立っていること、
その上で配慮の結果「穏便に解決する為に麻薬○郎を食べさせよう」という合理的な暴挙に3回転ひねりで着地する辺りで非常に味に深みが出ている。
この味の濃さ、生臭いクセがコクとして昇華されて渾然一体にそれでいて短編としてコンパクトにまとまっている辺り、題材のラーメンを想起させるような中毒性のある仕上がりで上手いなあ……美味いなあ……。
あと私は最後の注意書きの爽やかな白々しさがザーサイかメンマのような歯ごたえを感じて好きです。

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