転生は一度だけ、戦闘一族転生。
鳥本 一芯
第1話 死亡
「俺が死んだ原因?」「自殺だよ自殺」
「どうしてだって?」「……」
「言いたくない」
俺は、少女にそう言った。
最近目にする異世界転生ものにでてくるような光景、実際そうだと彼女は言ったが。現実味がなく。冷めた目でこちらを見る。
彼女は自分の事を『監査官』といい名を名乗らなかった。
「それで、話してくださいなにがあったのかを」
終始冷めた目でこちらを見てくる。
彼女の外見は、とても綺麗な顔立ち冷めた目そして上下とも白い巫女服をアレンジしたような奇妙な服を来ていた。
周りはなにもない空間黒く冷たい床暗くどこまでくらい部屋、そこに椅子が二つ俺と『監査管』と名乗る少女だけが座っていて、少女の姿だけが嫌にはっきり見えていて、それが現実感をなくしている正体だった。
「ここには私とあなたしかいませんので」
俺はポツリポツリと話し始めた。
俺は中学二年生だった、両親は共働きで友達は誰もいなかった。唯一の理解者だったじいちゃんは去年他界し、俺は一人部屋のなかにいた。
当時のことは、あまり思い出したくない。あるのは、怒号と軽蔑の声、差別、白い目そして俺は生きてちゃ行けないんだという確信だった。
俺は、学校でいじめられていた。
小学校から変わり者で小学生4年生になったと
きにはもうすでにいじめは始まっていた。きっかけはなんだったのかよく分からないが。
頭に飛んできた消ゴムと、授業中回し手紙をよく見たこと。
そしてその日から俺はいじめられた。
今思えば、標的は誰でもよかったんじゃないかって思う。たまたま変わり者の俺になっただけ。
人と違うものはこの世界じゃ生きていけない、俺はそう痛感した。
ギリッ奥歯で音がなった。
いじめは中学二年になった今でも続いてる。
俺は天井を見上げながら、夜両親が寝静まった後で、風呂場で手首を切っていた。
死にたかった……。死んだように寝て。
あの怒号と軽蔑と嘲笑のない世界に行きたかった……。
「それが多分俺の死んだ理由で、死んだ経緯だと想う……。」
少女は温度のない顔でこちらを見る。
「お話、ありがとうございます。」
そして、続けて言った。
「行ってみたいですか?」
えっ?声が漏れた。
「怒号と軽蔑と嘲笑のない世界、そんなものはありませんが、あなたに欠けているものを持っている世界ならあります。」
少女は立ち上がり、俺の胸に手を当て俺の顔に顔を近づけ、妖艶に笑いながら言った。
「愛のある世界に、行ってみたいですか?」
ドキッとした。
俺は、顔に火照りを感じる。
少女は離れまた温度のない顔に戻ると続けていった。
「チャンスは一回、見返りもなければメリットもない。でもきっとあなたの欠けているものは取り戻せるかもしれません。」
「行ってみたいですか?」
少女はそう呟く、質問する。
俺は、うつむいた。知らない間に涙がこぼれていた。
「行っで見たいッです。」泣いていた泣きながら言っていた。
「分かりました」
「行ってらしゃい、伊東愛人様」。
それは、俺の名前だった。彼女は女神のように笑っていた。
転生は一度だけ、戦闘一族転生。 鳥本 一芯 @toum00124
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