日暮れに

夕暮れに染まる帰り道

真っ赤な太陽はお別れが寂しくて

みんなを自分と同じ色に染めていく


優しい草原を

目に痛いような赤に変え

トンボはみんなまとめて

赤トンボの家族に変えてしまう


みんなの太陽だから

誰か一人だけを好きにはなれない

みんなを仲良く出来るけど

太陽は誰とも仲良くなれない


沈んでいく太陽の悲しさに

真っ黒なカエルの卵だけが

寄り添っていた


たくさんの粒に映り込む赤い光

黒い眼球、真っ赤な瞳孔


空を見上げる複眼には

すべて分かっていた

悲しさも疎外感も

何もかも

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ちくちく詩集 倉井さとり @sasugari

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