第3回「天使は校正者の顔をして ~丸川ウヰスキー~」
(♪~番組テーマ曲~♪)
『この番組は』
『稲妻食品と』
『ガガガガガ製薬』
『ご覧のスポンサーの提供でお送りします』
(♪)
ド「えー、皆さんこんにちは、ドイドイです」
鈴「アシスタントの鈴木です。さてドイドイ先生、今日はまた変わった所に来ましたね」
ド「こちらはですね、ウイスキーの蒸留所になります」
鈴「でも、この番組で取り扱うということは……」
ド「そ、ここはただの醸造所ではありません。ライトノベルを原材料に作られる『ラノベウイスキー』の大手メーカーさん、丸川ウヰスキーその心臓部でございます。ちなみに、テレビ初潜入だそうで」
鈴「それはすごいですね!」
ド「やっぱりこれも、私の人望あってこそですわ」
(スタッフ笑い)
鈴「それでは登場いただきましょう。今回案内していただきます、丸川ウヰスキーの
(スタッフのまばらな拍手)
畑「どうも、畑端です」
ド「ドイドイです、本日はよろしくお願いします。では早速、案内の方頼んでもよろしいでしょうか?」
畑「ええ、それでは行きましょう」
* * *
鈴「さて先生、白衣と帽子姿に着替えて工場内に入ってきました」
ド「衛生管理は大事ですからね」
畑「お二人とも、準備はよろしいでしょうか? 今日は弊社でも一番の売り上げを誇る銘柄、『
ド「おぉ、バトクリ。いつもお世話になっとります」
鈴「ドイドイ先生、ウイスキーも飲まれるんですね」
ド「バトクリの水割りが夕飯の友ですねん。今日はその製造過程を見れるということで」
畑「はい、では見ていきましょう──その前に、お二人にまずラノベウイスキーについて説明をさせていただきます。まずウイスキーというのは、小麦などの穀物を酵母でアルコール発酵させまして、それを蒸留し、樽詰めして熟成させるお酒になります。そしてラノベウイスキーというのは、この最初のアルコール発酵の原料に、その通りライトノベルを利用したウイスキーになるわけです。細かな製法の違いはもちろんあるのですが、それは追々それぞれの工程で説明させてもらいます」
鈴「なるほど」
畑「最初は、ラノベを醸造用の大桶でアルコール発酵させていきます」
ド「作品は何になりますの?」
畑「年によって微妙な配分は異なりますし企業秘密なのですが……言える範囲だと、『Battle クリアブレンド』に関しては七割『ソー○・○ート・○ン○イン』です」
ド「あー、やっぱりあの華やかな香りはそうですか。何巻までとか決めてあります?」
畑「雑味が出てこないようにというのと、あとは醸造の時間を短縮するために、5巻前後で調整してます。巻数を増やしたほうが味わいに深みも出ますし、香りも複雑になるのは確かです。ただ醸造時にどうしてもバラつきが出ちゃいますし、発酵期間が伸びるので採算が合わなくなってくるんですよね。それをやってるのが『Battle エクストラキ〇ト』で」
ド「あー、値段が三倍近くなりますなぁ……バトクリはスッキリした味わいと安さが売りやし、まぁ兼ね合いやいうわけですな」
畑「そういうことですね……さて、階段を登りまして、今いるのは『ソー○・○ート・○ン○イン』を醸造している大桶の上の部分になります。中を覗いてみましょう」
鈴「あ、思ったより明るいですよ先生」
ド「そりゃ、読まなあきまへんからなぁ」
鈴「中には……あ、そこに人がいらっしゃいます!」
ド「おー、読んではる読んではる」
鈴「畑端さん、あの方は一体」
畑「嫌気性のオタクです」
鈴「──嫌気性のオタク」
ド「彼らが投入されたラノベを読んで、各々の解釈で作品を分解していくんですわ」
畑「まさしく、ドイドイ先生の仰るとおりで」
ド「因みにこの人は何週目になりますの?」
鈴「何週目……というと?」
ド「どんな作品であれ、初読の時が一番強い感想が出ますやろ? フレッシュさを求めるなら初読がベストなんですわ。かといって二周目以降がダメというわけやなくて、初読時には気付かんかった伏線や構成の妙に対するものが増えて深みが増しますねん。そういうのもあってしっかり区別してるんですわ」
鈴「へぇ~!」
畑「よくご存知で」
ド「バトクリは確か……三周目から五周目やったかな」
畑「あ、惜しい! それは『Battle ディープ・キ〇ト』です」
ド「あら~、残念!」
(スタッフ笑い)
畑「バトクリに使う『ソー○・○ート・○ン○イン』は初読が約50%で、残り半分が二周目から四周目になります」
ド「あら、思うたより初読が多いんですな」
畑「これはこの後の工程の話になるのですが……日本のウイスキーの定義って他国と比べると緩くて、ウイスキー原酒の割合が10%を超えていれば残りを醸造用アルコールやウォッカ、スピリッツで割ってもウイスキーとして販売可能なんです。バトクリは樽で熟成させたウイスキー原酒の最終的な割合が60%程度で、残りの40%に熟成を経ないラノベスピリッツなんです。その中でしっかりと作品の味を出すためには、どうしても初読の強い感想が必要になってくるんですよね」
ド「なるほど、熟成させる量を少なくして、質に振ってると」
畑「後はまぁ、採算の問題もありますね。未読の嫌気性オタクを用いなければいけないぶん確かにコストは掛かるのですが、この後見学していただく
鈴「因みに一番だけで100%原酒だけ、というウイスキーは販売してるんですか?」
畑「はい、販売しております。『†Battle†』ですね」
ド「出た、庶民には手の出せない品」
(スタッフ笑い)
畑「さて、続いて次の工程に移りましょう」
* * *
畑「こちらが蒸留を行う機械になります」
鈴「うわぁ、すごい大きな機械ですね……! それに少し暑いです……!」
畑「こちらで先程見ていただいたウォッシュを蒸留・精製いたしまして、アルコール度数7%前後から60%程度まで濃度を高めます」
ド「いわば、感想のまとめブログみたいなものですやんな」
畑「ちょっと違いますが……今こちらに用意してもらったのが、蒸留し終わった蒸留液になります」
鈴「色は無色透明ですね」
畑「少し舐めていただいて」
鈴「失礼します……うわっ、けほっ、けほっ!」
ド「大丈夫ですか鈴木さん」
鈴「すみません、やっぱり度数が高いだけあって……作品の香りもすごいんですけど、どうしても棘を感じるといいますか」
畑「ドイドイ先生もどうですか」
ド「じゃあ少しだけ……あぁ、はいはい……ゲホっ!」
* * *
畑「こちらが、
鈴「すごい、びっしりと樽が置かれます」
ド「これは全部バトクリの?」
畑「そうですね、この貯蔵庫の中はほとんどバトクリの原酒となります」
ド「ああそや、ここから色々ブレンドするんでしたね」
畑「バトクリだと、だいたい樽詰めから五年ほど熟成させたものを使います」
ド「これ樽は何を使ってるんですか?」
畑「ミズナラですね。カクヨ村の方に契約林がありまして、そこのものだけ使ってます」
ド「はー、こだわりですなぁ」
畑「こだわりと言いますと、実は弊社のテイスティングは一人の社員さんがやってるんですよね」
鈴「え、ホントですか」
ド「それはすごいですなぁ」
畑「今回はせっかくの機会なので来ていただいてます。『丸川の生ける校正』こと角山さんです」
角「どうも、角山と申します」
ド「なんや、すごいダンディーでしゅっとした方が来ましたな」
鈴「校正さんって元々生きてません?」
ド「いや、案外言い得て妙な表現ですよこれは。鈴木さんは“天使の取り分”という言葉を知ってますか?」
鈴「すみません、分からないです」
ド「ウイスキーっちゅうのは蒸留液を樽の中で熟成させるわけですけど、樽も木製やから、ちょっとずつ中の液が蒸発で外に抜けていくんですわ。30年物なんかだと、樽の中の酒は半分ぐらいまで減るわけでして。昔の人は粋なもんで、これを“天使の取り分”と言うたんですわ。天使の分け前言う場合もありますな。英語で言うと
鈴「さすがドイドイ先生……ですが、それがどうして先程の話に繋がるんですか?」
ド「ラノベウイスキー……正しくは小説を原料にしたウイスキーに関しては、この天使が別の言葉に例えられるんです。最終的に作品が世に出る前に、不備を見つける役職の名前が」
鈴「あっ」
ド「そないなわけで、ラノベウイスキーにおけるかさの減りはこう呼ばれるわけですわ──“
畑「まさしく、ドイドイ先生の説明通りですね。あとは単純に、角山さんがテイスティングの際にけっこうな量を飲まれるのもそう呼ばれる理由です」
鈴「それはいいんですか?」
角「いやぁ、つい」
畑「こっちとしてはついで済ませて欲しくないですが……それでこちらに、角山さんに選んでいただいた原酒を二種類用意しました。片方がバトクリに最適な原酒で、もう片方がそうでない原酒になります。テイスティング用ということで、
ド「では早速いかせてもらいましょ……ふんふん……んん?」
鈴「どうしました?」
ド「なんか随分、リ〇ベットが強く出過ぎてるような……いや美味しいは美味しいんですけどね、なんか思うてたのとちゃうといいますか……『ソー〇・〇ート・〇ン〇イン』とだけ言われてこれを出されたら首を傾げる味と香りやね」
角「ではドイドイ先生、こっちはどうでしょうか」
ド「どれ……あぁ……はいはい……」
鈴「違いますか?」
ド「こっちですわ。なんというか、らしい味わい? 戦闘の力強さを感じさせながらも、キャラクター達の魅力を凝縮した華々しさが感じられます」
角「さすが、仰るとおりです」
ド「やって鈴木さん。僕明日からここで働いてもええですか?」
(スタッフの笑い)
ド「でもおもろいなぁ。この違いいうのは樽詰めしてから出てくるものなんですか?」
角「もちろん樽ごとで熟成にムラが出るというのもありますけど、それよりは熟成液のばらつきですかね。なにぶん作品を分解しているのがオタクなので、好みという偏りがどうしても生じてしまうんですよ。クセの強い解釈やキャラへの重い感情は少量でも品質に影響してきて、全然別のラノベを飲んでるようなものに仕上がったりもするんです」
ド・鈴「「へー」」
角「それを均一化……言うならば飲む方の『解釈違い』を減らすために、最終的には原酒を樽ごとじゃなく混ぜたものを利用します。そこの平均は、熟成条件が変わらない限りはほとんど一緒の味に仕上がります。それから個別に熟成させた他作品の原酒とブレンドして、最後にスピリッツを加えることで『Battle クリアブレンド』の完成というわけです」
ド「そこのブレンド過程を見せていただくことは」
角「そこは、企業秘密ということで……」
ド「うーん、残念!」
* * *
鈴「さてドイドイ先生、丸川ウヰスキーさんのキッチンをお借りしましたが」
ド「今日一日の感謝も含めまして、『Battle クリアブレンド』に合う料理をご案内いただいたお二人に振る舞えればええな思いまして。場所お借りさせてもらいました」
鈴「僭越ながら、私もアシスタントとしてお手伝いさせていただきます。ドイドイ先生、本日作るのはどのような料理なのでしょう?」
ド「樽のミズナラがカクヨ村産言いましたやろ? やっぱり相性は大事や思いまして、カクヨ村の作品使わせてもらおうかな思います」
ド「というわけで本日の料理は、『We Will Know』の燻製仕立てです」
──────────
『We Will Know』(著:
〈確定事項の未来に抗う、“今”の恋物語〉
2070年。万物の理論の発見と超深層学習AI『Will』の登場により、この世の事象は高精度な未来予測システムで観測・計算されていた。個人の行動や世界中の気候変動、人間活動の集合体である経済が、『Will』に支配されるかのように進んでいく世界。高校生である
これは『Will』から“今”を取り戻すべく戦った、少年少女の物語。
──────────
鈴「これは、前回
ド「バトクリは材料のラノベ的にも力強さや華やかさが売りですやんか? だから合わせる料理も負けんだけの強さがあって、かつウイスキーとぶつかり合わないようなものがええと思うたんです」
鈴「作品について、先生の方から紹介していただいてもよろしいでしょうか?」
ド「ええもちろん。
鈴「ジャンルとしてはSF? ということでよろしいのでしょうか」
ド「いわゆるディストピアSFですな。2070年とだいたい50年後の未来を舞台に書かれとるんやけど、未来文化の描写も中々ポイントが高い作品になります。技術の飛躍に比例するように格差社会が拡大しとったり、AR技術を用いて授業しとるのに教室はオンボロのままやったり。科学技術だけが一人歩きしてマンパワーと資源の不足に嘆く、そんな未来が待っとるのかもねとこの作者さんは夢想しとるわけですな」
鈴「あらすじに出てくる『Will』とは?」
ド「これもまぁ簡単には説明できへんのやけど。この作中世界では万物の理論、つまりこの世の現象として存在する全ての力を説明する理論が発見されとりまして。その万物の理論を利用し、高精度な未来予測を可能とした巨大システムが『Will』になりますね。そんでシミュレートするにはまず観測が必要やいうことで、地球のあらゆる場所、あらゆるインターネット環境には『Will』の監視の目が置かれ、人間も生まれて間もなく人体の解析デバイスを埋め込まれるわけですな」
鈴「『ハーモニー』のWatch Meみたいなものでしょうか?」
ド「有り体に言えば。体調だけやなく反社会的行為に及ぶ前兆を察知して事前に通告する予察システムが組み込まれているぶん、こっちのほうが分かりやすく管理社会となっとりますな。何せ、恋する相手までもが『Will』に把握されとるわけやし」
鈴「徹底的管理社会での恋愛、というのがテーマですね」
ド「主人公桝沢くんの初恋とシステムへの猜疑心、ヒロインの御徒町さんのつかみ所のないように思えるキャラクター、二週間後に待ち構える死に向かって着々と進んでいくストーリーにはもうドキドキですよ」
鈴「畑端さん、どうでしょうドイドイ先生の説明を聞いてみて」
畑「とても気になりますね、もうよだれが止まりません」
ド「そういうわけやし、ちゃっちゃと作っていきましょか」
鈴「まずはどうしましょう?」
ド「まずは章ごとに手で裂きまして、料理酒の中に加えて揉んでいきます。多少ですが血生臭いシーンがありますので、この時点でしっかり洗い落としておきましょ。残しとくと臭みになりますからね。改行の少ないシーンなんかはよく洗わないと落ちませんので気を付けてください」
鈴「よい、しょっと……わわ、なんだか血だけではない淀んだものが」
ド「凝り固まった大人達の『Will』への信仰ですな。隷属言うたほうが正しいかもあきまへん。私も揉んだら似たようなん出てくるかも知れまへん」
(スタッフ笑い)
ド「ほんなら水道水でよく洗いまして、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。さて、早くも燻製の時間です。最初に作品に軽く塩振って、アルミホイルで挟んだ燻製チップを乗せたフライパンに網乗っけて並べていきます」
鈴「チップは何を?」
ド「せっかくね、丸川ウヰスキーさんのところに来たんですから。こちら用意してもらいました。匂い嗅いでみてください」
鈴「くんくん……あっ、ウイスキーの香りがします!」
ド「そ、今回はバトクリを醸造したミズナラの樽、つまりウイスキーオークで燻製していきます」
鈴「これはもう、ウイスキーと相性バッチリですね」
ド「母と子みたいなもんですからね。フタをしまして、弱火にかけていきます」
鈴「どのくらいの時間ですか?」
ド「煙が出てきて15分くらい様子見て、火を止めて少し冷ます感じで」
鈴「燻製が終わりました」
ド「フタ開けますよ──オープン!」
「「「おー!!!」」」
鈴「見事に燻されてますね。あれ? ドイドイ先生、チップの上に敷いたアルミホイルに何か溜まってますが」
ド「レジスタンスの残党ですね。煙に燻されて上手く出てきてくれました」
鈴「レジスタンスですか?」
ド「今回バトクリに合わせるいうことで、彼らは取り除いておきたかったんですわ。揚げ物なんかにするぶんにはいてもらった方が味の複雑さが生まれるんですけど、実際に食べたときに桝沢くんと御徒町さんの恋愛に淀みを生じさせる要因になるわけですわ。バトクリと合わせるのに作品の甘味を引き立たせたかったので、今回は燻製という方法で追い出したわけです」
鈴「なんだか黒幕みたな発言ですね」
ド「ええ? こんなに善良な料理人なのに?」
(スタッフ笑い)
ド「さてさて燻製自体は終わりましたが、今のままだとまだ中の方が生焼けです。同じフライパンに薄く油を引きまして、これまた弱火で焼いていきます」
鈴「章始めと章末どっちから焼くべき、というのはありますか?」
ド「あんまり気にせんでええ思いますよ? カクヨ村の作品いうことで挿絵もありませんし、どちらからでも同じやないですかね」
鈴「両面じっくり焼けました。すごく良い匂いが漂ってきます」
ド「ええ感じやええ感じ」
鈴「付け合わせの野菜の方もそろそろ茹で上がりそうです」
ド「じゃがいも人参にブロッコリー、これで色合いもええ感じになります。さらに盛り付けていきましょ」
鈴「おおー、すごい、豪華です」
ド「最後に野菜用のソースをささっと作りましょうか」
鈴「先生、それは?」
ド「『君の心臓が僕に小説を書かせる』です、詳しくはこちら(https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054885555067/episodes/1177354054894985173)見といてください」
鈴「さらりと宣伝を組み込んできました」
ド「えーそんでですね、このラブコメを、バジルとアンチョビ、ニンニク少々と一緒にミキサーにかけてペースト状にしていきます」
鈴「先生には人の心がないんですか?」
ド「どれどれ……おお、ええ感じや。このソースを盛り付けた野菜にかけて、っと」
鈴「完成でしょうか?」
ド「はい、『We Will Know』の燻製仕立て、完成でございます」
(まばらな拍手)
鈴「さて、皆さんお座りになられましたか」
ド「まずはね、お酒飲んでからにしましょ。畑端さん、これは?」
畑「私オススメの、バトクリハイボールになります」
ド「あーもう、聞いただけで美味しいですもん。それじゃあいただきましょう、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
ド「……っかぁー! 染みる、染み渡りますわ。全身が喜んどる」
鈴「ハイボールにすることでより香りがぐっと来て、すっと鼻から抜けていきますね」
ド「消化器官がスターバーストス〇リームされる感じがたまらんねこれは」
(スタッフ笑い)
鈴「それでは早速、料理の方いただきましょう。畑端さんからぜひ」
畑「いいんですか? では、いただきます……おぉ!」
ド「どないですか?」
畑「噛めば噛むほど燻製の香りが広がってきて、それでいて作品の儚さや恋愛感情の淡い描写が……んぐっ……ぷはぁ。ハイボールとも最高の相性です」
ド「ほうほう、じゃあ次に手前のやつ食べてみて」
畑「これですか? いただきます……んんん!?」
鈴「畑端さん!?」
ド「どうでしょう、全然違うでしょう?」
畑「なんというか……同じ作品だということは分かるんですけど、視点の変換? いや、視角の拡大かな……見える景色が全然違うものになってますね。これはすごい」
鈴「ほんとだ、全然違いますね!」
ド「今回は素材を章ごとに分けとりますから、章ごとの性質をより強く感じられるようになっとります。全体通してあの感覚を味わうのも乙やけど、お酒飲むならこっちの方がええかなと思いまして。どうです鈴木さん?」
鈴「はい、同じ作品なのに扱い方でこうも異なるとは驚きました」
鈴「と、いうわけで、今回は丸川ウヰスキーさんにお邪魔させていただきました。ドイドイ先生、どうでしたか」
ド「いやぁやっぱりね、お酒いうんは人生に潤いを与えてくれるもんなんやなと再認識いたしました。またね、色んなメーカーさんも見てみたいですね」
鈴「先生、お酒が飲みたいだけでは?」
(スタッフ笑い)
鈴「それでは今日はありがとうございました」
ド「また次回お会いしましょう」
二人「さようならー」
(♪~番組エンディングテーマ~♪)
『この番組は』
『稲妻食品と』
『ガガガガガ製薬』
『ご覧のスポンサーの提供でお送りしました』
(♪)
ラノベ料理人ドイドイ・ヨーシハールの美読探訪 緒賀けゐす @oga-keisu
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