姉妹とは。
先日、7つ離れた姉と久しぶりに電話をする機会があった。
毎年年末に実家に集合し、少し話をすることがほとんどで、仲は良いほうだがそれほど頻繁に交流する姉妹ではない。
物理的に距離があるのはもちろんだが、便りがないのは~を実践する姉妹だったからだ。
付け加え、コロナの影響で年末に実家に集まることもなく、普段から電話を頻繁にしているわけではないので、当然電話することもなかった。
珍しく電話が来て驚いたが、ただの暇つぶしだったようだ。
そこで、昔の話に。
姉はいつも「お姉ちゃんなんだから」と言われたと文句を言い、妹は得しかしていないと言ってきた。
が、妹は妹で、できる姉の下に生まれてしまったがために、「お姉ちゃんができるのにどうしてできないの!」と人格否定されまくり、そして同じ内容であるにも関わらず姉の言うことは問答無用で信じて言うとおりにする両親が居て、どのへんが得しているのかと半分呆れたように言い返した。
姉は、事後承諾が当たり前であり、両親もそれを許していた。妹は一切事後承諾は許されず、やろうものなら怒鳴りつけられ、悪くすれば殴られるのは当たり前だった。
その差は「勉強ができる」という点のみであり、勉学が平均以下だった自分は当然恩恵は与えられないのである。
姉は妹が結婚するまで実家暮らしで苦労をしていないことを言ってきたが、自分で実家が嫌だと出ていったくせに何を言っているのか?
高校卒業とともに実家から出ていき、長期休みにふらっと帰ってくるだけだった姉には、実家暮らしで親の面倒を見続けてきたのは誰だったのか今一度考えて欲しいところだ。
小学生の頃、多少のいたずら的なことを姉のせいにした事や、わがままを言ってお姉ちゃんなんだからと譲らせたことは認めよう。ただ、得「しか」していないという言い分だけは納得できないぞ、と反論。
姉は姉なりに色々あったのだろうが、妹は妹なりに大変なのだ。
それが勉強が進学校で学年1位になるほどの秀才が姉であり、学歴主義の両親のもとであったなら、県下でも下から数えたほうが早い高校に入った元不良少女では大変度は格段に上がるということを覚えていて欲しい。
最終的には「まぁ、あの親だしね」という風に締めくくられ終わるわけだが。
そう、親の存在というのは、良にしろ悪しにしろ子供に影響するのだ。
そうやって考えると自分はかなり紆余曲折あったものの、普通の人として落ち着いたと思う。
ただ、こういう話は以前は半喧嘩腰となりかかっていたのだが、最近はそれほど腹は立たなくなってきた。
年を経たのだろう。
それぞれにそれぞれ、思うところがあるのは皆同じだと、スカスカな脳みそもゆるく感じ取り、考えるようになったに違いない。
残念な脳ミソ。 御手洗孝 @kohmitarashi
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