優しくて、暖かくて、苦い。
棗颯介
優しくて、暖かくて、苦い。
———我ながら随分巧くなったもんだ。
少し前までキッチンの棚の奥深くで眠っていたコーヒードリッパーにお湯を注ぎながら、ぼんやりとそんなことを思う。
ほんの一ヵ月前は珈琲豆の挽き方からお湯の淹れ方、測る時間まで何もかも分からなかったのに。それ以前にそもそも珈琲が好きじゃなかった。生まれて初めて親が飲んでいた珈琲をこっそり飲んだ時は、苦くて黒くて、まるで泥水だと子供心に感じたものだ。それがここまで本格的にのめり込んでしまうのだから、つくづく自分はお人よしだ。「アイツ」のことを言えない。
▼▼▼
「アイツ」とは、幼稚園の頃からの付き合いだった。
昔は「アイツ」とは仲が良かった。お互い小さかったし、その頃はまだ俺も世の中のこととか大人の事情とか難しいことは何も知らなかったから、馬鹿みたいに何も考えずに毎日「アイツ」と過ごしていた。
小学校に上がってから、俺は「アイツ」の異常性を少しずつ知っていくことになる。
別に見た目は普通だ。むしろ同年代の中ではかなり顔立ちは整っていた方だろう。バレンタインには学年中の女子からチョコを貰っていたし、女子だけじゃなくて男子とも分け隔てなく仲良くしていた。勉強もできたし、頼まれればいろんなやつに親切にものを教えてくれた。俺も何度も世話になったことがある。
人望があって、能力もあって、そして優しい。
「アイツ」は、すべての人に対して対等に優しく接することができる人間だった。
それが、俺は不気味だった。
人間なら多かれ少なかれ、物事に“優先順位”というものを設定するものだろう。たとえそれが他人のことであっても。なのに「アイツ」にはそれがない。親も先生も友達も、あいつは誰に対してもどんな時でも公明正大でどうしようもないほど公平だった。
何より俺が怖かったのは、その異常性に周囲の人間が誰も気付いていないことだ。集団の中で何かに突出している人間がいれば、少なからずそれに不満や嫉妬を覚える人間はいるだろう。だが「アイツ」は誰からも理不尽な仕打ちを受けることがなかった。まるで「アイツ」自身も集団の中で皆と対等だとでも主張するかのように。
だから俺は、高校に入る頃には「アイツ」とはあまり話さなくなっていた。
「おはよう」
「あぁ、おはよう」
家が近所なせいで、朝登校するときは否応なしに顔を合わせてしまうことが多いが、一言二言会話をする程度で、後は無言で通学路を歩くことがほとんどだ。幸い、高校のクラスは別だったから学校に着いてしまえばその日は基本「アイツ」と関わることはない。
「アイツ」は今は高校の生徒会長になっていた。幼い頃から「アイツ」を知っている俺からすれば別に何もおかしいことはない。人柄が良くて能力も十分とくれば周りは自然と持ち上げる。たださすがの俺も驚いたのは、入学一年目で生徒会長に選ばれたことだ。普通こういう選挙は二年生が中心になるものだろう。一年生にも一応立候補する資格はあるが、入学したての一年生に生徒会長が務まると思っている先輩や教師は普通いない。
「アイツ」が普通じゃない。そういうことだろう。
俺はと言えば、いたって普通の高校生活を謳歌していた。友達もそれなり、部活もそこそこに、勉強もまぁ悲観するほどではない。普通ではない「アイツ」を見ていると、自分が普通で本当に良かったと思う。
俺はこのまま普通に、「アイツ」はこのまま普通じゃないまま別々の道を行くんだろうと、なんとなく思っていた。
転機が訪れたのは、一ヵ月前。高校生活二年目が終わる頃。寒い冬が徐々に去り、麗らかな春がもうすぐやってくるというそんな時期。
飼っていた猫が死んだ。もう随分と歳をとっていたし、最近は家でもほとんど眠ってばかりだからそろそろだろうと覚悟だけはしていたが、やはり悲しかった。
猫が死んだ翌日、俺は学校を欠席した。もう外に出る気にもならないというほどでもなかったが、なんとなく人と会うのが嫌だったからだ。一人で一日ゆっくりすれば心の整理もできるだろうと思っていた。部屋で一人ベッドで横になりながらくすんだ天井を見ていると、家のインターホンが鳴る音が聞こえた。時刻を確認すると、午後4時を少し過ぎた頃。共働きの両親が帰ってくるにはまだ早い。特に居留守を使う理由もないから、俺は玄関に出た。
「はい?どちら様———」
「具合はどう?」
そこにいたのは「アイツ」だった。「アイツ」の顔を見てどことなく複雑な胸中だった俺の気など知らず、ただ純粋に俺を心配しているという切実な表情で立っている。
「……何しに来たんだ?」
「今日欠席しただろう。だから見舞いに来た」
「なんで」
「昨日あの猫が亡くなったんだろう?」
「どこで聞いた?」
「うちの母さんがお前の母さんに聞いたと言っていたよ」
ご近所ネットワーク恐るべし。
「アイツ」はふと俺から視線を逸らし、家の庭の方を見やる。
「もう、埋葬は済ませたのか?」
「昨日の夜のうちに」
「そうか。お墓で手を合わせても?」
「……まぁ、いいよ」
無下にもできなかった。あの猫は、元々こいつの家で飼っていた猫が生んだ子だった。思った以上に子供が多かったもんだから、その中の一匹を俺の家が引き取って飼っていたんだ。だから、俺は「アイツ」を庭に招き、墓石代わりに置いた少し大きめの石の前に連れていく。「アイツ」は墓石の前でしゃがむと、無言で目を閉じ手を合わせた。その表情は絵に描いたような悲しみとやるせなさに満ちている。きっとそれは作り物ではないんだろう。こいつは本心から悲しんでくれている。そういう奴だ。
やがて目を開けた「アイツ」は俺に向き直る。
「少し、話をしないか」
「話?」
「最近あまり話せてなかっただろう、俺たち」
「まぁいいけど」
俺は「アイツ」を家の中に招き入れ、そのまま客間まで通す。思えば、こいつが俺の家に来るのは随分と久しぶりだ。
「何か飲むか?」
「あぁ、それなら珈琲を飲まないか?」
「コーヒー?」
「アイツ」は学生鞄の中から小さな包みを取り出す。
「なんだそれ?」
「珈琲豆。最近珈琲を淹れるのが趣味で、近所に行きつけの店があるんだ」
「ふーん…」
知らない間に洒落た趣味を持つようになっていたんだなこいつ。
俺はコーヒー嫌いなんだけど。
「悪いけど、俺コーヒー嫌いなんだ」
「どうして?」
「小さい頃に親のコーヒー飲んだらすごく苦かったから」
「そうか、じゃあ苦みを抑えてさっぱりめにしてみるよ」
「いや、別に俺は飲むなんて言ってないんだけど」
「食わず嫌いは良くないよ。小さい頃に飲んだっていうことは多分ドリッパーとコーヒーポットはあるんだろう?少しキッチンをお借りするよ」
「いや、だから待てって」
俺の制止も聞かず、「アイツ」はキッチンで手際よく珈琲を淹れる。なんとなく止める気力もなかった俺は仕方なく客間のソファーに座りながらその背中を見ていた。そもそもあまりこいつと関わりたくなかったというのもあるが。
———なんかすげぇ様になってるな。
昔から「アイツ」は何でもできるやつだったけど、キッチンに立つ姿は下手な家庭の母親よりも絵になっている。こいつともし将来結婚する女性がいるとしたら、よほど女子力が高くないと惨めな思いをするんだろうと思うほどに。そういえばこいつ、昔から女子にはモテたけど誰かと付き合ってるとか浮いた話は一度も聞いたことがないな。
「お待ちどう。召し上がれ」
「…ありがとう」
テーブルに出されたティーカップには普段馴染みのない香りのする黒い液体が注がれていた。
香りは悪くない。少なくとも昔親のコーヒーを飲んだ時よりかは良い香りが鼻腔に広がっている。
それでもやっぱり口をつけるのは気乗りしないが、目の前に座る「アイツ」は俺が飲むのを今か今かと待っている。そんなに自分が淹れたコーヒーを俺に飲んでもらいたいのかお前は。
ほとんど惰性で、俺はティーカップを口に運ぶ。
「どうだ?誰かに振舞うのは初めてなんだが」
「……苦い」
久しぶりに飲んだコーヒーは、やっぱり苦かった。苦くないコーヒーなんてないということは分かっているが、それでもやっぱり苦い。というかミルクとか砂糖は入ってないのか。今更だが。
「そうか、結構自信作だったんだが」
「俺にはやっぱりコーヒーの良さは分からないな」
「次は美味しく思ってもらえるように頑張るよ」
「いや、別にいいって。それで?」
「それで、とは?」
「何か話したいことがあったから来たんだろ?」
「あぁ、いや。最近どうしてる?」
答えづらい質問をする奴だ。
「どうって、別に普通」
「そうか」
会話が途切れ、気まずい静寂が部屋の中に充満する。やっぱりこいつを家に上げるんじゃなかった。
「思ったより、元気そうでよかった」
「どうしたんだ急に」
「今日休んだのは、あの子がいなくなったからじゃないのか?」
図星だ。だけど、俺はお前に心配されるほど傷ついてはいない。
きっとこいつは俺を気遣って、優しさで俺の元に訪れたのだろう。
不快だ。
「お前には関係ないだろう」
「幼馴染を気遣って悪いか?」
「本当にお前は俺を気遣っているのか?」
無意識だった。
自分で言っていることが自分の思いと反していることは分かっていたが、つい口をついて言葉が漏れてしまった。
「アイツ」は、ひどく驚いた顔をしている。ずっと信じていた人に裏切られたとでも言いたげな、深い悲しみと絶望が顔に浮かんでいた。
「当たり前だろう。何を言ってるんだ?」
「お前は誰にでも優しいだろう」
言葉が止まらなかった。今までずっと心に留めていたものを吐き出すかのように。
「きっとお前は本心から周りのやつのことを等しく大事に思っていて、優しく接して、頼られればいつでもどこでも助けの手を差し伸べるんだろうけど、それってただのお前の自己満足なんじゃないのか」
「……」
「大事にすれば相手も自分を大事にしてくれる。優しくすれば相手も自分に優しくしてくれる。助けてあげれば相手も自分を助けてくれる。そういうことなんじゃないのか」
「……」
「俺はさ、別に自分ができた人間だとは思ってないし、人に優しくしたり気遣うことが駄目だとは思ってないけど」
「……」
「ただ、お前のそういうところが気に入らない」
俺が言葉を吐き出している間、「アイツ」は終始無言だった。もしかしたらこいつが他人から責められるのはこれが初めてだったのかもしれない。
しばらく重い空気が流れた後、ポツリと「アイツ」が言葉を漏らす。
「そうか、ごめん」
なぜ謝る。
こいつが悲しげに浮かべる笑顔はどうしようもなく脆く、少し顔に手を触れれば途端に崩れそうだ。
「信じてもらえるか分からないけど」
「…?」
「少なくとも、今日俺がお前のところに来たのは見返りを期待していたわけじゃなくて、純粋に心配していたからだよ」
「……そうか」
「久しぶりにお前と話がしたかったんだ」
「……そうか」
「二人で珈琲を飲みながら、昔みたいに」
「…………」
「確かにお前の言う通り自己満足かもしれないな」
俺たちが話をしなくなったのは、俺がこいつを避けていたから。
こいつはやっぱり何も間違ったことなんてしていない。いつだって正しい。
悪いのは、俺だ。
「今日は、もう帰るよ」
「……………そうか」
「アイツ」は力なく立ち上がると、鞄を持って静かに部屋を後にする。
俺は玄関まで見送りはしなかった。
だけど、部屋を出る時の「アイツ」の背中がとても小さく見えて、寂しくて、どうしてか無性に泣きたくなった。
部屋に残ったのは冷めてしまった二つのティーカップ。
もう一度だけそれに口をつけた。
冷たいし、やっぱりどうしようもなく苦い。さっき飲んだ時よりもさらに苦く感じる。
気付けば猫を失った悲しみはどこかに失せてしまい、代わりにそれよりも大きな喪失感だけが俺の中に渦巻いていた。
翌日、俺は普通に登校した。「アイツ」と顔を合わせるのが嫌で、遅刻ギリギリの時間に家を出る。
その日、「アイツ」は学校には来なかったらしい。
昨日の俺とのことを気にしているのだろうか。
だけどまぁ、真面目なあいつのことだから明日にはいつも通り登校するだろうと、俺は思っていた。
だが、翌日も、その次の日も、「アイツ」は学校には顔を出さなかった。
生徒会長が学校を連日欠席したことで、多くの生徒がしきりに「アイツ」のことを話していた。
———心配だね。
———私、家に様子見に行こうかな?
———俺代わりに授業のノートとっておくよ。
本当にいろんなやつが「アイツ」の心配をしている。俺があの日「アイツ」に言ったことは、動機や過程はどうあれ結果だけ切り抜けば正解だったのだということを否応なしに実感させられた。
当然だろう。人に優しくされて、相手に何の恩義も抱かない人間がどこにいる。
———ここにいるか。
その日の帰り道、数年ぶりに俺は「アイツ」の家に来た。家の前を通りかかることくらいは今までもあったが、「アイツ」に会うためにここに来るのは本当に久しぶりだ。昔は毎日のように通っていたのに、今はどうしてこんなにも胸がざわつくのだろう。
ややためらいがちにインターホンを鳴らす。どうか「アイツ」が家にいませんようにと願いながら。
ゆっくりと、玄関の扉が開き、隙間からこちらをうかがう「アイツ」の姿が見て取れた。
「おす」
「……どうしたんだ?」
「あのさ」
「……?」
「コーヒー、飲みに来た」
我ながら下手すぎる言い訳だったと思う。
「アイツ」は何も言わず俺を部屋に招き入れてくれた。きっと俺がコーヒーを飲みに来たわけではないことは気付いていただろうに。つくづく優しい奴だ。
「今淹れるから少し待ってくれるか」
「あぁお構いなく」
コーヒーを飲みに来たと言っているのにお構いなくと言うのも変な話だと、どこか他人事のように思う。
キッチンでコーヒーを淹れる「アイツ」の背中は、あの日俺の家でコーヒーを淹れていた背中と比べると少しだけ頼りなく見えた。
だからだろうか、俺は何となく待っているのが申し訳なくなった。
「…どうしたんだ?」
「いや、コーヒーってどうやって淹れるもんなのかなと思って」
キッチンに立つ「アイツ」の隣で、俺はコーヒーを淹れる準備をするところを何の気なしに眺める。よく分からない三角形の形をした大きなコップに、これまたよく分からない形の紙がセットされている。その横にはレバーみたいなものがついた小ぶりな木製の調理器具があって、器具の器みたいな部分にはコーヒー豆が盛られていた。
「このコーヒーミルで珈琲豆を細かく砕いて、ペーパーフィルタをセットしたコーヒードリッパーに挽いた豆を入れて、お湯を注ぐんだ」
「ふーん」
聞き馴染みのない単語がいくつか出てきたけど、そんなに難しくなさそうだな。
「なぁ、俺がやってみてもいいか?」
「え?……あぁ、いいよ。やってみるといい」
「お前は部屋で待ってろよ」
「分かったよ」
「アイツ」は少しだけ驚きを見せたが、フッと顔を綻ばせるとその場を譲ってくれた。
「お待ちどう。召し上がれ」
「……ありがとう」
ひとまず見た目は問題ない。いやコーヒーはだいたい全部黒い色だから見た目に問題があることなんてないと思うが。
ティーカップに注がれた黒い液体を、二人で一緒に口に運ぶ。
「……っ」
苦い。苦すぎる。そんじょそこらの漢方薬がかわいく思えるほどに苦い。口に含んだ瞬間に吐き出しそうになるレベルだ。以前こいつが俺に淹れてくれたコーヒーは本当に俺に合わせて苦みを抑えてくれていたんだということが涙が出るほど伝わる。もちろん涙が出るというのは苦みのせいだし、俺はグッと涙を堪えていた。
恐る恐る「アイツ」の顔を見て、俺は完全に固まってしまう。
「アイツ」が泣いていた。
「ご、ごめん!泣くほど不味かったか?いや俺も自分で淹れておいて正直泣きそうになったけど」
「……いいや」
「アイツ」はティーカップをテーブルに置くと、涙を拭うこともせず、いつも通りの、でもいつもとはどこか違う優しい笑顔を見せた。
「すごく美味しいよ」
その日、俺たちは本当に久しぶりにいろんな話をした。
二人で飲んだコーヒーはやっぱりどうしようもなく苦かったけれど、でも以前飲んだ時よりも優しくて、暖かかった。
やっぱり、俺があの日「アイツ」に言ったことは間違いではないと思う。人が人に優しくするのは多くの場合自己満足でしかないんだろう。
自分の押し付けた優しさが相手に伝わらないことも、疎まれることだってある。
でも、別にいいじゃないか。
それでお互いが優しい気持ちになれるなら、俺は喜んで偽善者にでも馬鹿にでもなってやると、そう思った。
▲▲▲
今日は土曜日。天候は快晴。キッチンの窓から差し込む光はほんのりと暖かくて、穏やかな春の兆しを感じさせる。
進級した俺たち高校三年生には、これから受験勉強という名の試練が待ち受けていた。唯一その試練を免除されている「アイツ」を除いて。
「お待ちどう。召し上がれ」
「あぁ、ありがとう」
今日もこいつは俺の家に来ていた。生徒会長を二年連続で務めていておまけに成績優秀なこいつは受験勉強せずに推薦で大学に進学することがほとんど決まっているらしい。だから予定のない休日は俺の勉強を見てくれることが多かった。というか今のところ皆勤賞だ。休日に来なかった日は今のところ一度もない。
ただ、優しいこいつにしては珍しく交換条件つきだったが。
「勉強見てくれるのはありがたいけどさ、本当にこんなことでいいのか?」
「何が?」
「俺が淹れるよりお前が淹れた方が絶対美味いだろ」
勉強を見る日、二人で珈琲を飲むこと。しかも俺が淹れた。
昔はあれほど嫌っていた珈琲も、しばらく飲んでいるうちに次第に良さが分かるようになっていた。毎回淹れているのと、あの日泣いていたこいつの顔が忘れらなくてあまりひどいものは出せないという気持ちがあったからか、俺の珈琲の腕前は目に見えて上達している。それでも、あの日こいつが俺に淹れてくれた味にはまだまだ及ばない。
「いいや、そんなことはないよ」
「世辞とかいいって」
いつもそう言って美味しそうに俺の淹れた珈琲を飲んでくれるが、きっとそれはこいつの優しさだろう。
でも、その優しさを俺は普通に受け取れるようになっていた。
二人で飲む珈琲は、今日も優しくて暖かくて、でもやっぱり苦い。
優しくて、暖かくて、苦い。 棗颯介 @rainaon
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