千鳥野綾香は笑わない

021

　後日談、というよりも今回のオチと言ったほうが良いだろうか。

退屈な授業も終わり、放課後に行く当てもなく部室へと向かう。

　部室に入るといつものように、写観が声をかけてきた。

「先輩こんにちは。あ、今日の紅茶はアールグレイでお菓子は結さんが家から持ってきたクッキーですよ。」

「でもその結が見当たらないのだけど。」

「今部長会議に行ってましてね。しばらくすれば来ると思いますよ。」

日常、繰り返される当たり前の日々。

　こんな日が長く続けば良いと久々に思った。

　さて、もうすぐ部室の扉が開く。

今日はどんな話が聞けるのか、どんな話をしようか。

　紅茶を飲み始めると階段を上り、部室へと駆けてくる足音が聞こえた。

　　　　　　　　　　　　　　〈終わり〉