web作家

白川津 中々

 web漫画家とかweb作家とか逃だろ。


 何かの記事でそんな事が書かれていた。否定はしない。


 まぁ実際逃げている。

 公募に出すわけでもなく他人に品評を頼むわけでもない。ただ書いて、投稿するだけ。恥をかく覚悟もなく、趣味と言い訳しつつ小説をサイトに上げて「頑張りました」だ。おまけにTwitterで偉そうに講釈垂れちゃったりしてね。情けない。文字を書きたいなら作品で表現すりゃいいのに。


 そのTwitterにも誰も反応してくれやしない。知った風な口を利けば利くだけ馬鹿を晒すというのに辞められない。承認欲求というやつだろう。自分を大きく、凄く見せたいのだ。自己愛甚だしく、実に哀れだ。


 どうしてこうなってしまったのか。

 知れた事だ。誰も俺を見ちゃいないからだ。誰も俺を知らないからだ。俺は誰かにとっての何者かでありたいと願いながらも、誰もからも、認識されていないからだ。


 Twitterに書く。

 小説とは。

 物語とは。

 人生とは。



 何も知らない、何も得ていない俺が書く薄っぺらな文章が連投されるも、反応はない。インプレッションには俺が見た回数だけ数字が積み重なっていく。



 @web作家


 自称するその肩書が空々しく、馬鹿馬鹿しく……

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