リーゼントヤンキー異世界上等

@0kazu0123

第1話 リーゼントヤンキー 夜露死苦

「ぎゃぁぁぁあああ、ま、魔物が現れたぞぉぉおおお!?」


「みんな、逃げろぉぉおお!!!」


「召喚は失敗だぁぁあああ!」


沢山の悲鳴の声で漢(男)は目を覚ます。


(あ? マモノ?つーか、うぜーな。)




漢(男)は起き上がるとさらに悲鳴があがる。


「た、た、た、助けて下さい。命だけは、命だけはーーー!」


命を乞う者、顔が絶望の色に染まる者、死を覚悟した者、呆然と立ちすくむ者。



漢(男)はパッパラパーの頭で今の状況を考える。

(どこだここ?テツオとタイマンで河川敷に来てたよな?それより、)


『腹が減った、なにかねーか?』


「ひぃぃぃいいい、喰われるぅう!」


「た、只今生娘を用意します!」


(キムスメ?韓国料理か?)

『わりぃーな、頼む。』



白装束を着た綺麗な娘が男に連れられて来た。

白装束っ娘は漢(男)を見ると「ひぃ!」と恐怖の顔になる。


「ど、どうか、私をお食べ下さい。」



(いや、腹減ってるのに女とやれって言われても。)

漢(男)は怒りをこみあげる。


『今はそんな気分じゃねぇ!それとてめぇ、自分の身体大切にしろや!』


白装束っ娘はビクっとし、泣き出した。

「ありがとうございますーー!あなた様の御慈悲に感謝致しますーー!」



(ゴジヒ?なんで感謝?)

『とりあえず、なんでもいいから食いもん出せや!』


「はは、只今すぐに用意致します!」



無駄に広い部屋に通され、無駄に長い机の前に、無駄に大きくゴージャスな椅子に座り、漢(男)はご飯にありつくことができた。慌ただしく人が出入りし、沢山の料理が用意され、次々に皿を空にしていく。漢(男)はようやく満足した。


『めちゃくちゃ、うまかった。ありがとうな。』


「とんでもございません!お口にあって良かったです!」


『ところで一体ここはどこだ?』


「ここはイバラギ王国の首都シモツーマであります。」


『下妻にこんな立派な建物があったんだな。』


「シモツーマをご存知でありましたか!」


『俺の街だ。』


「ここはケロップ王の国であります!魔物であるあなた様はここを支配するという事ですか!?」


『あん?喧嘩売ってんのか?俺は人間だぞっ!』


「し、しかしその頭は人間の頭じゃありません!」


『ああ?これはリーゼントっつうイカした髪型だろ!』


「そうでありましたか!大変失礼しました!皆の者ーこの方は人間であらせられるぞ!」


『飯くれた事には感謝するが、おめぇ、ぶっとばすぞ?』


「し、失礼しました!では、やはり召喚は成功だったのですね!」


『娼館?さっきの女は娼婦だったのか?』


「え?」


『え?』


「と、とりあえず事情をご説明致します。現在イバラギ王国は隣接する魔物の国トッチギ王国とその奥のグンマー王国の連合国と戦争状態にあります。」


『俺の知らないところで北関東最強を決める闘いがあったのか。』


「はい。ですので人間国家であるイバラギ王国はダサイタマ王国とミキミニ王国で連合を組む事にしました。」


『もはや関東最強を決める闘いだったのか!』


「はい。人間は魔物よりも弱い存在なので異世界から勇者を転生することで今の状況を打破することにしました。」


『俺は勇者じゃねぇ、番長だ!』


「分かりました。これからは勇者じゃなく、バンチョーと呼称します。」


『故障されちゃあ困るんだが?』


「え?」


『え?』


「まだ名前を聞いてなかったのですが、お名前は?」


『タガワシンジだ。お前は?』


「タガワシンジ様ですね。私はイバラギ王国騎士団団長のパルコライスと申します。」


『よろしくなライス!』


「はい、よろしくお願いします!バンチョーシンジ様にはこれから国王陛下に謁見を受けていただきたいのですが?」


『あ?なんで鉄拳を受けなきゃいけねんだよ?』


「え?」


『え?』

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