第2話 『風陣』
男の名は
彼は故郷である
救援を要請するために
西方イスラームの
「
すでにして矢筒の矢も尽き、後は
追っ手は
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元は北ベルク河が蛇行する流域に生まれた中継都市であったが
水流の
本来であればこのまま
この都市にはごく稀に
これによってかろうじてオアシスの水源は確保されている。
しかも南部の肥沃な土壌も台風に巻き上げられ、
この地に降り注ぐため、台風が来る年は豊作に恵まれる。
さらには周辺で発生し、田畑を食い荒らすイナゴの群れも
台風によってさらに北へ連れ去られてしまうため、
この災害が都市の農耕に一役買っている。
ナイル川の氾濫によって
評して『エジプトはナイルの
この
『
『
中継都市としての価値は変わっておらず、その為
ここを
2万の軍勢を編成し、いよいよこの都市を包囲したのであった。
すぐさま城壁を守らせつつ、配下の
急ぎ南方の諸都市への援軍を要請しようと一計を案じた。
夜半過ぎ、南の城門より
それを追撃した追っ手がまず見つけたのは空馬であった。
城側は南門から馬だけを走らせて注意をそらしておいて
イスラムの将軍は
追撃隊がもし
自分たちの命惜しさに何としても羅仲を捕らえようと追いすがるため、
追撃は長時間に及んだ。
「
しかし遂に矢もつき、弓を投げ捨てた
一気に高台にまで駆け上がり、
「ままよ、どうせ捕まれば活かしておく事はあるまい・・・」
剣を引き抜いて馬の尻を打ち、一気に渓谷に向かって馬を走らせ崖を
だが、今一歩のところで馬が着地に失敗し、
高い渓谷を覗き見た追っ手は、
自陣へと戻る事にした。追撃隊より報告を受けたクダイバは満足気に髭をしごいた。
これでひとまず援軍はこないであろう。
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城側も必死の抵抗を続けており、連日の攻勢に加え3度の全面攻撃にも耐えていた。
しかし城側の守備兵は二千、すでに三割の死傷者を出しており、
劣勢は明らかであった。
クダイバは焦っていた。
攻略せよとの厳命をスルタンより受けていたためである。
そんな中、包囲を潜り抜け、城に入ろうとしていた怪しい男を捉えたとの
知らせを受け、クダイバは謁見に及んだ。
男は
城に戻るところであった。
クダイバは
「貴様、なぜ城に戻ろうとした。まさか援軍がくるというのか」
「いや、援軍は来ぬ。それを城方に伝えようと戻ったのだ」
それはクダイバにとって好都合であった。
「よろしい。貴様命は惜しくないか。もしその事をお前が城方に呼びかければ、
城は降伏するだろう。うまくいけば命を助けてやる上に、
「こうなっては仕方がない。その役買って出ましょう」
こうして
城方でも
長官の
「城方の皆様にお伝えしたき話がございます。お聞きあれ」
城方が静まり返って
「これより三日の後、十万の援軍が参ります。絶対に降伏なさらぬように」
突然の
怒り狂ったクダイバは
怒りに燃えたクダイバであったが、そもそも
南方諸都市に行ったのであれば帰ってくるのがあまりに早すぎるため、
城方の士気を上げるための
こうなれば
突然南より黒い雲が現れ、暴風雨がイスラム軍の陣営を襲った。
2万のイスラム軍は壊滅した。
翌日、イスラム軍の陣営跡を見聞した
「十万の援軍とは
恐らくあの者は途中で
見つけて知らせようと戻ったのだろう」
と手を合わせた。かくして
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やがて時は過ぎ、南方で噴火した火山の
さらには
颶風 あん @josuian
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