目の中に住めたら
aori
第1話
主人公の男の子には好きな女の子がいる。男の子は特にその女の子の目が好きだ。輝くようなその瞳に、1度、住んでみたいと思っている。「あんなにきれいな目だから、きっと見えている世界も僕より100万倍美しいんだろうな」
そこに、妖精が現れる。
「その望み、叶えてあげましょう」
「!?」
「あなたに、その子の視覚を共有します。しかしその間、あなたは目を瞑っていなければなりません」
もちろん僕はその話に乗ってさっそく彼女の目になった。
見えてきたのは…
電車の中
デスク
知らないおじさんの怒る顔…
そして…滲んだ視界…
行かないと!
と、
視界が突然真っ暗になる。
「!?何が起こった」
妖精の声「残念ですがあなたは目を瞑ったまま2階の窓から転落して死んでしまいました」
「そんなあ!?うそだ!…まだあの子に告白もしていないのに」
「時を戻すこともできます。ただし彼女の目になった記憶は消えてしまいます」
「時を戻してくれ!そしてあわよくば僕に違う提案、勇気がほしい…」
妖精「叶えましょう。その願い」
数時間前。
「彼女の目に住んでみたいなあ」
妖精「それならば、同じ景色を見ればいい。行きなさい。彼女に想いを伝えるのです」
あたりを見回したあと、決意し、外に出る僕。
彼女は公園でお弁当を食べていた。
すかさず彼女の手を握り、僕は言う。
「僕と同じ景色を見てくれませんか」
目の中に住めたら aori @Ao3Piyo
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