[異世界転生]この世界、厳しくない?

@novel_fuguuu

転生してしまった

ば?ば、ばぶ?


私は神野原 日向||神野原[かみのはら ひなた]

20歳、正確には20歳と数十秒。東京の目黒区にいて、二十歳になった瞬間に、お酒を買いに家の扉を開けたところまでは、覚えているんだけど、、、


今はどうやら美人の腕の中。

男だったら泣いて喜んで、それこそ泣きすぎて、ここら一帯は湖になるわ!


そんなことより、この女、巨人なの?

私、食べられちゃうの?!?!うえええん助けてえええ


「可愛い〜!アイリスちゃんなんてかわいいの!ママですよ〜。どうして嫌がるの?ひどい〜」


この巨人、何言ってるの?日本語で話してよ。。

ってあれ?手をこの女の顔に押し付けてみたけど、なんか私の腕丸くない?それに、、


「ふぎゃあ!ふぎゃあ!」

言葉もおかしくない?ん?腕の中、女、丸い腕、抱っこ、バブ…赤ちゃん…?私は、赤ちゃん?ば、ばぶ?!

あほらし、寝るか。


ーーーーーーちゅんちゅんーーーーー

良い朝だ…大人の朝は優雅に…

「ばぶぶ」

ふぅ。醒めないなこの夢…。もしかして夢じゃない?これが最近流行りの異世界転生か。ラノベだけの世界にしとけよ…


本当にどうしよう…


「アイリスちゃんおきまちゅたか〜?ママでちゅよ〜」


「パパでちゅよ〜」


何言ってるかわからないけど、この顔から察するに愛されているみたい。良かった。


それからは、私はたくさんお世話をされた。

漏れたパンツを変えてもらったり、体を洗ってもらったり、とにかく、大人としての尊厳は完全に破壊された。私は赤ん坊なのだ。


バぁバぁで生きていく。そう決意した日だった。


ーーーーー数ヶ月後ーーーーー


大体言葉もわかってきた。大人の知能×子供の吸収率は素晴らしい。


まだか、まだあの親はこんのか。オムツを変えて欲しいのだが、むれてかなわん。


ーーー3分後ーーーー

「おぎゃ!おぎゃあ!」

(はやく!はやくしてええええ)


「はいはい♡ごめんね〜アイリスちゃん〜。すぐ変えますよ〜」


遅い。ん?横に誰かいるな。父と、もう一人、髭が長い。これこそ長老!のような見た目の人物…。長老か?


「この子がアイリスか。フムフム。可愛らしい子じゃのぉ。」



「かわいいでしょ〜?それで、さっきの話なんですけど、この子に冬の儀式を受けさせようと思うんです。」


「まだ早いと思うんじゃが…」


「この子から強い魔力を感じるので大丈夫だと思うのですが…、それに早ければ早い方がいいって言いますし」


「はっは!母譲りの魔力に父譲りの体なら炎の中に入れても大丈夫じゃろうな!」


「「「はははは」」」


置いてけぼりだけど、みんな楽しそうだし、いっか!すごく暖かい光景だなぁ。


「じゃあ、準備を始めるぞ」


ーーーーヒューーーー

おぎゃ、おぎゃ、おおおお

(寒いいいいいい。なんで外に連れ出すの〜。というか雪国だったの〜!!)


「では、今から冬の儀式を始めます。魔法陣の確認をお願いします。」


「よし、確認したがよさそうじゃな。では、わしはここで見張っておるから安心せい」


「この子をお願いします」


「お主も父になったのぉ。任せておれ!わしはこの村で一番偉い村長じゃぞぉ!」


「半日後に迎えに来るからね。それまで、、わたしも耐えるから…」


え?この寒さの中に半日?このよくわからない絵の中で?冗談だよね?ははっ…


さよなら今世、おはよう来世。前世の、特に仲良くなかったお父さん、若干嫌いだったお母さん、とても嫌いなお兄ちゃん。今からそっちに行きます。待っていてください。


そうして私は地獄の12時間を過ごすこととなった。

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