あれ書いてから唐揚げ5回くらい食べた

Enju

自作語りしていいんですかヤッター

イトリ川小説大賞にご参加(書く方も読む方も)の皆さんこんばんは。私の小説を読んで頂いた方はありがとうございます。読むだけでなく感想や講評まで頂き感謝に堪えません。

闇の評議員による講評の方ですが、皆さん総じて困惑されていたようで申し訳ありません。くらえこれが俺のイトリ川小説だ。


さて一般的に、作品の中に盛り込めなかったものや分かり辛かったことを作品の外で語るのはダセェと言われがちです。しかし書いている側としては、これほど語りたいと想っていることも他になく。いいじゃん書いちゃえよ、ほらみんな書いてるから、大丈夫だよ絶対気持ちいいから、恥ずかしいのは最初だけだよ……。と、このような場を設けて戴きましたので、たまにはとりとめもなくお話してみたいと思います。


とはいえ今回の小説は勢いで書いたものですから、泣く泣く削ったエピソード等は特に無く。むしろ最低ラインの3000文字を超えるように水増ししている疑惑もあります。「ございます」の口調だと文字数は増える、これ知見。


今作の「唐揚げを無限に食べたい」、元々はTwitterに画像で小説を投稿するようなのが流行って(?)いたのを真似しようかなと思って考え始めた話だったのですが、書いてるうちに長くなってきたのでイトリ川に向けて方向転換をしました。テーマもちょうど良かった。

講評では伏線とか構成とかで論じるタイプの小説では無さそうだとのことでしたが、序盤でウンチの話を避けたのが伏線でした。ほんとだよ。ちょっと前にやっていたクソ小説大運動会だったらここを掘り下げていくところでした。危なかった……


さて実は書いている途中、話の中で誰が何をしているのかよく分からなくなってきまして。いや佐藤くんが唐揚げ食ってるだけなんですが、セリフがほとんど無くて地の文だけで進行していくと、何と言いますか……読み辛い。

小説を読むときというのは、多少なりとも情景を思い浮かべるものですが(しますよね?)、今回はナンセンスなギャグで行こう!と決めてしまったために、書かれていない部分で起きる不整合がストレスになってしまったんですね。それどうやってやったの?とか、それはできないだろ!っていう自分の中の常識が邪魔してくるんですね。ある意味それを狙っていた面もあるのですが。

解決策として最初に「テケテンテンテン」、最後に「お後がよろしいようで」と書いてみますとあら不思議、さっきまでは居なかった「語る人間」が生まれ、ワンクッション置くことで話がすんなり受け取れるようになりました。小説の地の文はデタラメを言わないが、人間はデタラメな事を言うということなのでしょうか。

この手法に行き着いたのは、落語を使った活動をしているバーチャルYoutuberの土鳩マメデッポコちゃんとγ-GTP500越子ちゃんに触れていた点が大きいでしょう。ありがとうデッポコちゃん越子ちゃん。


というわけでこの小説は完全ボケっぱなしのギャグとして書いておりまして、ただただ指を差して笑って頂ければ、そしてそんなバカをやっている中に時折垣間見えるインテリジェンスにニヤリとして頂けたら幸いと思っておりました。他の参加者の皆さんが、人の心の移ろいや関係性、エモやカタルシスをどう形にしようかと腐心している中、ただ面白おかしいだけの話があったっていいじゃない。

しかし頂いた感想・講評を拝見しますと、怖い話として受け取られていた方も居られまして。確かに普通に考えたら死んでるもんな佐藤くん。何者なんだ佐藤くん。

もう少し読者に「ああこれはギャグなんだ、真面目に考えなくていいんだ」と思わせるような工夫があったら良かったかもしれません。


それと以前から自分の課題となっているのが、文章のボリューム、というか情景描写のディテールですね。ストーリーを進めるという目的に向かって真っ直ぐ進んでしまい、脇道に逸れたり視野を広げて世界を見たり、というアプローチが足りず物語に深みや奥行きが出づらくなってしまいます。

今回は落語っぽくしたせいであまり気にならないかもしれませんが、読み返してみるとやっぱり駆け足ぎみのイメージが抜けません。テンポが良いのと駆け足なのって何が違うんでしょうか。わからない、何もわからない。俺たちは雰囲気で小説を書いている……。

まあ、これについてはインプットの問題かなぁと思っています。本を読んでも「何が起きたか」は覚えてますけど「どう描写されていたか」って頭の中に残らないんですよ。

本を1冊まるごと手で書き写す、という修行法があるんですが、そういうのが必要なのかもしれないです。たぶんやらない。


あと、今回初めて書縦書きエディタを使って書いていたんですが、カクヨムに投稿して横書きになると結構イメージが変わるものですね、読むテンポと言うか。たぶんスマホで見るのとPCで見るのも結構違うんじゃないかな。


最後になりましたが、主催のイトリトーコさんを始め、闇の評議員の皆さんや参加者の皆さんお疲れ様でした。

ハードルを下げて出てきた小説を、昇天ペガサストルネード褒めで持ち上げる手際は素晴らしいものだったと思います。

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