第6話「市販品?」

「やっぱり硬い?」

 甘井糖子あまいとうこは少しスプーンを刺してみて「もしかしてウチの冷凍庫冷えすぎる?」とも思ったがそれは違っていた。


「あっ、すくえるすくえる♪」

 それは思いのほかちゃんとしたアイスクリームだった、メレンゲだったそれは空気を沢山含んでおりモリモリとスプーンの上にアイスクリームがすくわれて行った。


「レン☆チンしなくて大丈夫だね☆」

 彼女は掬えるだけで結構嬉しかった♪


「美味しい♪普通のアイスだ♪市販のバニラアイスと同じ味(彼女の主観)、やっぱバニラエッセンス要らないじゃん!」

 彼女は普通の人には少し、いやだいぶ甘いアイスクリームをパクパクと食べる。


「あっ!したに黄身が残ってる??」

 混ぜきれて無かったせいかラーメンどんぶりのそこに黄身が固まっていた。


「うん大丈夫!ちゃんと黄身も甘くて美味しい♪」

 何が大丈夫かは不明だが、彼女にとっては甘ければ何でも美味しいらしく、底に溜まったの黄身アイスもまるでプリンのカラメルの様にペロリっと平らげた。


「あんま冷たくないし少し軽いかな?」

 どうやら質量卵2個分のアイスクリームでは彼女のお腹はいっぱいにはならず、更に水分が少ない為体を冷やしてはくれなかったらしい、暑い夏には向かないアイスのようだ。



「うん!アイスクリームは買った方が絶対いいね!!」



 彼女は力強く言いきった、そうなのだ、だって市販のアイスクリームと同じ味(主観)なのだからコスト意外に作る意味など無いのし、只々作る手間と面倒な洗い物が増えるだけなのだ。



 夏休みは終わる……



 彼女はなけなしの青春の時間を市販品品質のアイスクリームの作り方と感と目分量で作る料理スキルの向上に使い切ったすえ、買い置きのかき氷を冷凍庫から取り出し美味しそうに食べるのだった。




「かき氷も美味しいよね♪」

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アイスクリーム☆チャレンジ! 山岡咲美 @sakumi

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