背伸び

弥生

背伸び

私は駅のホームの乗車待ちの列の先頭に立っていた

一本前の電車を見送るコトでポールポジションを獲れるから、私はいつも早めに駅に来ていた

電車に乗り込むと後から後から乗客が雪崩れ込んで来て、乗り切れずにはみ出してる乗客を駅員が2~3人掛かりでだめ押しするかの様に押し込んでくる

文字通り鮨詰め状態だ

電車が動き出すと四方からびっちりと圧力が掛かって吊り輪や手摺に捕まる必要なんてないし、立ったまんま眠ってしまっても決して倒れることがないくらいぎゅーぎゅーに固定される

学生鞄を両手で胸に抱き抱える様にして電車に乗り込めれば後は終点まで気を抜いていられるから、満員電車が嫌いだと云う人は多いけど、私は嫌いではなかった


初日

いつもの様に私は列の先頭に並んで、いつも通りに左右の扉の中間辺りの踊場のような位置で鮨詰めの電車内に固定された

両手で学生鞄を抱き抱えるいつも通りのスタイルで学校のある終点駅に到着するのを待っていた

まったく身動きの取れないこの満員電車の中で、肩や肘が変なところに当たったり他人の鞄や傘が押し付けられるコトは全然希ではない、むしろ茶飯事だ

けどその日のソレは違った

誰かの手の甲が私の腰からスカート越しに上下に摩りながら徐々に尻の方へと移動した

一瞬、痴漢か?と思い全身に緊張が走ったけど、ここまで身動きの取れない満員電車の中じゃ、滅多なコトは出来ないだろうと思い直して平常心を取り戻した

痴漢に遇った友達の体験談だと、カッターでスカートをズタズタに切り刻まれたり、駅のホームに降りてみたらスカートにべっとりと精液が付いていたりと

ここまで混んでいてはとてもじゃないけど出来るようなコトじゃないなと思った

きつきつに人と人との圧力に挟まれた中で、その手の甲はひっくり反って今度は手の平で私の尻を撫で回し始めた

こんなコトして何が楽しいのだろう?

そうは思ったけど、尻を触られてるだけなら減るものでもないし、危害を加えられるような状況じゃない程に車内は混んでいたので放っとくことにした

私の尻を撫で回していた手はいつしか揉むと云う動作に変わっていて、揉んでいる位置も徐々に尻の割れ目に近付いていた

その指先は太腿の付け根辺りを目指して下がって来ているのか分かった

小指と思われる指がお尻の穴の近くまで到達した時点で、不意にその手は私の尻を力強く鷲掴みにした

私の尻は激しく掴まれたり弛められたりして、その度にお尻の穴が広げられるような感覚になり、流石にこれは恥ずかしいと思った

目に映る肩から上の景色は普段と何も変わらない満員電車の風景で、眉間にシワを寄せてる中年や目を閉じてイヤホンで音楽を聴いている学生がいつも通りに圧し潰され合っていた

ただ、私だけ、今日は尻を鷲掴みにされて自分のお尻の穴が広げられると云う恥ずかしい感覚と闘っていた

その手の激しさが更に増すと、尻の皮に引っ張られて、ついには私の大事なところまで開いたり閉じたりを始めたのが分かった

くっぱぁ、くっぱぁ、と開いたり閉じたりしている自分の恥部に意識を持っていかれると、恐怖心や羞恥心とは裏腹に、くっぱぁと開いたり閉じたりしている部位から湿っぽい音が混ざり始めてきた

自分の耳でも確認出来るくらいの音量でくちゅくちゅといやらしい音をたて始めた

しかし、顔に出さずに遣り過ごしていれば誰にも気付かれるコトはないだろうと耐えていた

待てよ、私は私にしか今の自分の下半身の状態を知られていないと考えていたけど、この手の持ち主も今の私の股間がどんな状態なのかを分かっててやってるとしたら・・・

いや、普通に考えて今痴漢されている私の大事な部分が淫らに濡れているのを分かっててやっているのだろう

そう考えたら途端に悔しさと恥ずかしさも入り乱れた怒りに近い感情が込み上げてきた

その瞬間、その手は大胆にも私のスカートの中にまで手を突っ込んで来て、下着の上からではあったけど、一番大事な部分に指を圧し当ててヌルヌルになった布一枚を挟んで割れ目に沿って擦り始めた

目的の終点までまだ何駅か先だったけど、私は次に停まった駅で逃げるようにしてその電車を下車した


その晩

私はシャワーを浴びながら自分の手で自分の尻を揉んでいた

撫で回すように擦ってみたり、揉んだり鷲掴みにしてみたりして

腰を捻って後ろから回した手で自分の股間にまで指を伸ばして触ってみたけど、何かが違った

と云うよりは決定的に全てが違った

痴漢に遇ったにも関わらず、その晩に自らその忌まわしかった筈の出来事を再現しようとしている

それにはワケがあった

私の制服から、普段は終点まであの電車に乗っているのは間違いなく察しが着いている筈で、私が途中下車したコトで彼を拒んで逃げたんだと云う意思表示も伝わっている筈だ

けど、ちょっとだけ状況が変わったんだ

電車から逃げ出して降りる瞬間に、まさか痴漢も私を追って降りて来ないだろうかと云う不安から私は恐る恐る後ろを振り返って電車内を覗いた

目が合った、間違いなくその痴漢本人と私は目が合った

通勤通学のラッシュ時にも関わらずその男はカジュアルな色の着いたカラーシャツを着ていた

胸元を開けていて中にはTシャツが見えた

前髪は頬に届くくらい長く目にも掛かってたけど後ろは縛っていたのか、全く不潔な印象もなく、エリートなデザイナーでもしているのだろうか、お洒落なメガネが更にその男の印象を底上げしていた

あ、嫌じゃないかも

目が合った瞬間に私は心の中でそんな風に呟いた

かなり遊んでいる風には見えたけど、あのマスクなら女性経験も豊富で、つまり女性の悦ばせ方も熟知しているのではなかろうかと直感的に思った

片や私はと云えば女子校通いで男性経験もないどころか、自慰行為すらいまいち上手く出来ずにいる好奇心旺盛なオトシゴロ

あのまま私が臆することなく身を委ねていれば、もしかしたらとてつもなく気持ちいい所まで私を連れ上げてくれたのではないだろうかと、正直、後悔をしていた


次の日

私は何の躊躇いもなくいつも通りの時間にいつも通りのホームでいつも通りの電車を待つ列の先頭に立っていた

いつも通りの電車のいつも通りの車両が私の目の前で停車すると扉が開き、下車する乗客の塊を吐き出した

昨日のエリートっぽいメガネを探そうと顔を上げるとその男は先に私のことを見付けてこっちを見ていた

背中をドンと押されるような衝撃の後、乗り込む乗客の塊に押されるがままに電車内へと追いやられた

多少不自然な軌道修正をしながら私は無理矢理その男の方へと近付き、目論見通りにその男と身体を密着させる形になって固定された

昨日と殆んど同じ位置で同じような体制だった

胸に学生鞄を抱き抱えたまま、真後ろで密着しているのがその男なのかを確認したくて、一度だけ振り向いてその男の顔を見た

目が合った、ドキッとした

昨日の続きをして欲しくて私は自らその男が痴漢だと知っててその男の前に身を置いた

構図としては確かにその男が痴漢であり私は被害者的な立場ではあるけど、私は能動的に自らの意思で痴漢されに臨んでいると云う自覚があった

が故にスリルと背徳感に満ちたこの火遊びにときめいていた

ところが、その男は今日は全く何もして来なかった

私は行き場のない期待を持て余して一人で欲情し始めていた

考えたら、昨日は嫌がって途中下車までして逃げた標的が次の日にケロッとした顔でまた現れたら警戒するものなのかも知れない

私が何らかの対策を講じてリベンジに来たと考えているのかも

私はその男にもその気になってもらおうと思い、私なりに考えてみた

昨日のその男は私の尻を触ってきた、と云うコトはきっと尻に欲情するタイプなのだろう

幸いにも今、私の尻はその男の腰の辺り、あわよくば股間のその辺りに当たっている筈だ

執拗に腰をくねらせてその男の腰に尻を圧し当てたり軽く左右に尻を振って刺激することを試みた

その男の右手がゆっくりと動き出すのを感じて更に期待が膨れ上がった

昨日の様に手の甲で擦るところから始まるのかと思いきや、その男はいきなり乱暴に私の右の尻を強く鷲掴みにして激しく4~5回揉むと、直ぐに手は離れて行ってしまった

そうか、この男は嫌がったり恥ずかしがったり快感を抑えて我慢しながら困ってる姿が好きで、自分からお尻を圧し当てて腰を振るような女の仔にはむしろ萎えるのかもしれない

そう思った私は右手を後ろに回して手の甲で自分のスカートを押さえてお尻やその奥にある大事な部分をガードするようなポーズをして見せた

その男はその私がガードしている右手の手首をガシッと掴むと私の手の平がその男の局部に触れる位置まで導いた後、私の手首を上下に振って手の平で自分の股間を擦るようにと指示をしてきた

その男の局部がズボンの中でどういう状態なのか分からないまましばらく揉んだり擦ったりしていると中から硬いものがムクムクと膨らんでくるのがわかった

ソレは初めは横向きだったのに、まるで自らの意思を持っているかの様にズボンの中で上向きへと移動するのが手探りでも充分に分かった

これが勃起した男性器なのかと初めて触れる硬くなったその男の局部をまさぐっていた

何の前触れもなく突然私のスカートがたくし上げられた

鮨詰めの電車の中では何かに引っ掛けなくともスカートの裾はそのまま下がってはこない

こんなに大勢の乗客と密着している中で私だけがスカートを捲り上げられてパンティが丸出しになっていると云う状態がこの上なく恥ずかしくて、それでも気付かずにいつも通りに電車内に詰め込まれてる他の乗客が恨めしくも思えて、とにかく、興奮していた

その興奮を伝えるかのように私はその男の生殖器をズボンの上から強く握り締めたりそのまま動かしたりしてみた

その男は丸出しになっていた私のパンティを半分くらい擦り下ろすと一気にパンティの中まで手を入れてで来て、迷うことなく私のぐちょぐちょになった割れ目を広げることもせずに指を私の穴の奥深くまで突き挿した

ホントに一瞬の出来事だった

その時、電車内に最終駅に間もなく到着するアナウンスが響いた

その男は私の穴の奥の方を2度3度掻き回すようにした後、ゆっくりと指を抜き始めた

私のいやらしい液でぐちょぐちょになっているその男の指が名残惜しそうに私の身体から抜けた次の瞬間、軽い別れの挨拶でもするかのようにプニュっと第一間接だけ私のお尻の穴に突っ込んでからその手をパンティから抜いた

駅に着いて下車する乗客の塊に運ばれてホームまで吐き出されたものの、そこで私は自力で立っていられない状態になっているコトに気付かされて、なんとかホームのベンチまで辿り着いた

他の生徒やましてやクラスメイトにバレないように顔を学生鞄に俯っ伏してしばらくそこに座って休んでから学校へ行った


そして

今日で痴漢被害3日目になる

正確に云えば痴漢被害ごっ仔と云う火遊びの3日目だ

今朝も痴漢に遇う気満々でホームの先頭に立っている

学生鞄を抱き抱えた私は電車の扉が開き降りる乗客が降りきった瞬間からラグビーのタックルの様な勢いで彼の真ん前まで駆け寄った

後は自然の流れで後から乗ってくる乗客に圧し潰されなから彼の身体と私の身体が密着するのに身を任せた

昨日の晩も当然シャワーを浴びながら予習復習をしていた

まず、分かったコトとしては、男性の指の太さや力の強さは女性では敵わない、ましてや自分でいくら頑張っても同等の快感には辿り着けないと云うコト

昨日の反省点として、たぶん最初に目を合わせてしまったコトで暫く自分が焦らされる羽目になったと云うコト

だから今日は彼とは絶対に目を合わせない様にしようと心掛けていた

そして自分で課した課題として、今日は背中を密着させるのではなく向かい合って彼に密着しようと云うコト

彼はきっとお尻が好きで背中を向けた方が嬉しいのだろうけど、私にも目的があった

いつの日か私が誰かとセックスをするコトになった時に、私の股間から私の中に入って来る「勃起した男性器」と云うモノを予習したかった

昨日はズボンの上から握り締めたり擦ったりしただけだったが、今日はチャックを下ろしてソレを直に触って感触を確かめておきたいと云う願望

彼と向い合わせに密着して立っていると今日はすぐに彼の方から動いてきた

密着している彼と私との身体の隙間に手を這わせながら周囲りに悟られなようにそっと私の手首を掴むと学生鞄を抱えてた私の右手を連れて再び密着した身体の下の方へと戻って行った

今朝の彼のソレは既に硬く大きくなっていて、斜め上を向いていた

昨日と同じように私は彼のソレを握ったり擦ったりし始めた

鮨詰めの電車内で密着した彼と私の身体と身体、更にその隙間に挟まっている学生鞄のオカゲで水面下で何が行われているのかなんて当人同士ですら見えていない

彼は私のスカートの前の部分を摘まんで器用に少しずつたくし上げて、スカートの裾が彼の手に届くとそれを私の身体と学生鞄との隙間に挟み込んだ

昨日はお尻が丸出しの状態だったけど、今日は前がパンティ丸出しの状態だ

しかも下半身がこんな恥ずかしい姿になっているコトを知っている相手と向き合っている

顔に血が上るのを感じると同時に、既に私の身体中がそう云う状態になっているコトを自覚した

まだスカートの前半分を捲り上げられただけだと云うのに気分は絶好調に欲情してしまっている

周囲りに悟られないように、そしてうっかり彼の顔を見て目が合ってしまわないようにと、私は必死で下唇を噛みながら出来る限り下を向いた

昨日は出来上がっていた私の恥部に指を奥までいきなり一気に突っ込んで来た彼だったけど、今日はパンティを下ろすことなくその上から布一枚を挟んでゆっくりと割れ目に沿って指を這わせてきた

快感に耐えながらも私は自分に出された宿題を思い出した

手探りで彼のズボンのチャックの持ち手を探した

手首の角度が悪くて容易には掴めなかったけど、漸くチャックの持ち手を摘まむコトが出来た

その時点で彼も私がチャックを下ろそうとしているコトには気付いたようだった

チャックに気を取られていて、彼の手がいつ私のパンティの中まで潜り込んで来たのかは気付かなかった

人差指と薬指だろう、私の股間の割れ目を思い切り圧し広げたと思った次の瞬間、中指と思われる空いてた指が目敏く割れ目の中心にある敏感な突起に触れてきた

ビクッと身体が震えるのを感じた

それを彼も見ていた

ピトッ、ピトッ、ピトッっと彼は私の敏感な部分に触れたり離したりを繰り返し始めて、私はそのたんびにビクッ、ビクッっと身体を震わせた

私は負けじと彼のズボンのチャックを下ろしてソコから手を突っ込んだ

正直、想定が甘かった

ズボンと目的のモノとの間にもう一枚下着と云う障害物があるコトを忘れていた

可能であればズボンからソレを引っ張り出して色や形まで目で見れたらなとまで思ってはいたけど、彼の下半身を目で見るような隙間は全く無く、それどころか下着に阻まれて直に触るのと云うコトすら出来ないかも知れない

そんな風に焦ってる間にも彼の執拗な突起物への刺激は続いていて、ジワジワと私の下腹部の温度を上げていた

快感に耐えながらも闇雲にチャックの中をまさぐっていたら、彼のソレの先っぽが下着のゴムを越えて上にはみ出してるのが触れた指の感覚から伝わってきた

やった、直に触れた

私が彼のソレの先端部分を挟んでいる下着のゴムを下に擦り下ろすと、彼のソレの全貌を手に取るコトが出来た

彼は「んっ」と言葉にならない声を漏らした

密着した身体と身体に挟まれた学生鞄で自分たちでさえ目視できないのだから大丈夫だろうと思い、私は彼のソレをズボンの外に引っ張り出した

ソレは私が想定していたよりも遥かに長くて太くて、何よりも熱かった

こんなに硬くて大きなモノを私は将来自分の股間に入れるのかと考えたら目眩がしそうだった

けど、こんな熱いモノが穴の中に入って来て奥まで突き上げられたら、きっと気絶するくらい気持ちいいのだろうなと妄想した

ホントにこんなモノが入るのか今この場で試してみたいとすら思ったけど、彼の方が足が長く私がどんなに背伸びをして彼が膝を曲げたとしてもこの鮨詰めの電車内では無理だなと、それは諦めた

それでも何か彼が気持ちいいと感じるコトをして上げたいなと思い、全く予備知識がないながらも「シゴくらしい」と云う情報だけは脳裏にあった

周囲りに悟られないように手首のスナップだけを利用して彼のソレをシゴいてみた

暫くすると彼は空いている方の手でシゴいていた私の手首を掴んだ

うっかり顔を見上げて目が合ってしまった

優しそうな顔立ちで口元は微笑んでいるかのようにすら見えたけど、メガネの奥の目は笑ってはいなかった

そしてゆっくりと首を横に振りながらシゴくのを止めるようにと伝えようとしてるようだった

痛いとか気持ち悪いとかじゃないなら、気持ちいいのであればもっと快感を与えて返して上げたいと思い、私は手首を掴まれながらも更に必死でシゴき始めた

彼は一瞬だけ慌てた表情を見せた後に私のパンティに入れていた方の手を更に突っ込んで来て2~3本の指を一気に穴に挿し込んだ

そして恥骨の裏側にその指を引っ掛けるようにして私を持ち上げるくらいの勢いで吊り上げた

私の全体重が恥骨の裏側に集中して突き上げられて、更にカギ型に曲げられた指の腹の部分が私の敏感な突起を押し潰して逃げ場を失い横にプリっとずれた

つま先立ちになって全身に電気が駆け巡るのを感じて私は大きな声を出してしまった

明らかにそれは誰が聞いてもエロい声だったと思う

周囲りの他の乗客の視線も感じた

目の前が真っ白になる瞬間に、私は私の右手の手の平の中に温かくて粘り気のある液体が噴き出して来るのを感じた

鮨詰めの満員電車の中でなければ、おそらく私はその場に倒れていたのだろうと思う

彼はいそいそと自分のソレをズボンの中に押し込んでチャックを上げて

その後に半分擦り落ちた私のパンティを擦り上げて履かせてくれた

そして学生鞄に挟まってるスカートの裾を元に戻して、そこからは素知らぬ顔で終点の駅まで窓の外を眺めていた


最後

まさかそれが最後になるとは思って居なかった

昨日もシャワーを浴びながら、たぶんきっと、あの感覚は「イった」んだろうとか思い出しながら自分で股間を触っていた

私の手の平に溢れたあの体液も間違いなく精子だろうから、私は彼のことを「イカせた」んだろうとも思っていた、そして何か誇らしかった

自分にも「女」としての価値がちゃんとあったんだと実感出来た気がしていた

高校を卒業するまでの通学電車で、これから毎日彼と気持ちいいコトをし続けられるものだと思って胸を高鳴らせていた

飽きられてしまわない様に趣向を凝らして時折別のパターンを考えたりしなきゃだなとか

この親にも友達にも話せないような火遊びに、私は本当にワクワクしていた

なのに、いつもの時間のいつもの電車のいつもの車両に彼は乗っていなかった

次の日も次の次の日も彼の姿はなかった

別に彼と彼氏彼女の仲になろうなんて微塵も思っていなかったし、ましてや火遊びの内容が痴漢ごっ仔とあっては、お互いの素性など最小限にしておかなければならないし

そんなワケで連絡先など交換してる筈もなく、ましてやお互いの名前すら知らない

最後までヤッちゃったとか、それで妊娠したとかなら話は別だけど

ぽっかりと胸の中に穴が空いたのは否定出来ないけど、所詮お遊びよね

そして、ゲームオーバー

スリルもあって楽しかったし気持ちいい思いもしたんだから、うん、お・し・ま・い

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背伸び 弥生 @yayoi0319

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