第七章〜★力(エナ)〜
「はぁ…」
初めから溜め息で始まってしまって申し訳ないのだけど…私は今すっごく落ち込んでいます。
何故かって…そりゃあ…
今から10分前。
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あの黒い異様な気配を漂わす貴族の男から猛スピードで走り逃げて。挙げ句の果、人間が空を飛ぶって言う…。
ある意味の怪奇現象?を目の当たりにし思考回路がショート寸前の中、何とか男を撒いたのはいいが…
その分の疲労感が半端ないです。
今は人気の少ない庭園裏まで来ており一息をついていた。
「何とか、まけたみたいで良かったよ。大丈夫だった?」
「ぜ…全然大丈夫じゃ無い…死ぬかと思いました…。て言うか何で貴方はそんなに元気なのんですか…。」
「ん?何でって…君の可愛さで疲れなんてほぼ感じていないよ」
はっ?イケメンかよ?何なのこの人…何者なのよ…。これが狙いでは無く素でやっているみたいだから逆にたちが悪いわ。
こっちは死ぬ思いをしたというのに…。
何か寿命が1年…いや10年分位縮んだ気がしてならないのだけど…
「そ…そう…。」
「顔色が良く無いね…この水を飲むと良い少しは気分が良くなるから…」
「あ…ありがと…う?……何これ…?」
渡されたのは水とも言えない黄緑色をした液体が入った何とも不気味な小瓶…。
疲れているのかな?どうしてもこの水が黄緑色したいかにも怪しい飲んではイケないモノに見えるのだけど⁉
「何って?元気が出る水だよ?それを飲めば疲労回復に体力回復も出来るから王騎界では主流なんだよ。…もしかして初めて見る?」
「まぁ…はい…。こんな不気味…じゃ無くて…こんな怪しげな…物」
「クッ…ふふっ…大丈夫だよ毒とかそういった物では無いから味も苦くは無いし、むしろフルーティーで飲みやすいよ」
「フルーティー⁉」
こんなにも不気味で怪しい液体がフルーティー…フルーティー……そう思えば…イケるわ‼
意を決して小瓶の蓋に手を掛け飲もうとするが…
開かない…グッっと力を入れるが、うんともすんともいわない。
すると手に持っていた小瓶が宙に浮き蓋が意図も簡単に開く。そして手元に小瓶が戻る。
な…何で?手に持っていた小瓶が勝手に浮くの?何で蓋が取れるの?
やっぱり私…疲れているのね…。でもどうやっているのかしら。
「はい。どうぞ」
「…ねぇ?貴方…がやったの?」
「?」
小首を傾げて私を見つめる。
「だから…小瓶が宙に浮いた様に見えたの…それで蓋が開いたの…貴方がやったの?」
「そうだよ。」
「…っ⁉ねぇどうやったの?何をしたの?どうなってるの⁉どんなマジックを使っているの!何であんなに速く走れたの⁉どうして人が空を飛ぶの⁉あの黒い異様な感じは何⁉」
興奮した私は両肩に手を掛け大きく揺さぶる。
「ちょ…落ち着こうか!……えーっと君はまず力(エナ)って知っているかい?」
「え…な??」
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★力(エナ)はある特定の人物のみに与えられる。いわゆる特殊能力みたいな物らしい。
特に王族、貴族がその能力を持つ者が多いそうだ…。力(エナ)は人によって違うらしい。
★地
★海
★空
★光
★天
に分けられる。下に行くに連れ数が少ない。
天は最も希少であり数百年に一度の実在である。
それとは例外に天と同様に希少なのが…
★悪である…。
今では悪は何千年も前に滅んだと言うが…。
どこまで本当かは分からない。
以上‼
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つまり速く走れたのも空を飛べたのも物を宙に浮かせられたのも、その力(エナ)による物らしい。出来る事は能力量で変わるらしい。なるほどね……いや全然わからないけど⁉
まず「love・forever」にそんな設定あったっけ?何かヒロインが特別な癒やしの手を持っているのかな?って思ったスチルはあった気がするけど…。
そうそれはヒロインを庇った攻略対処の王子が怪我をしたのを手をかざしその傷が癒える。
情報量の少ない中、唯一「love・forever」の神スチルだ‼あの頃は早くプレイをしたくて長い事待っていたのに…。あの神様と来たら…。
まぁそのお蔭で?好きな「love・forever」の世界に転生出来たのだけど…。
「まぁ…悪は…滅んだとは…聴いているかい?」
「はっ!ごめんなさい!少し考え事をしていて…」
「…そうか。それと…あいつには気をつけた方が良い…。あれは危険だから…」
「あいつ?…あいつって…あの貴族の事?…まさか貴方…」
「ミーシャ⁉‼」
彼の言葉が気になり質問しようとした瞬間。後ろから声が聴こえてきた。この声はリク⁉
「リク⁉」
「あぁ…君の友人が来たみたいだね…。それでは俺はここで失礼するよ…またね……ミーシャ…」
「えっ⁉ちょっとま…!」
行ってしまった…。もう!聴きたいことあったのに!…あっ…そう言えば名前も聴けてない!…そう思っているうちにリクがこちらに駆けてきた。
そんなに急いだらコケてしまうのではと心配になる。リクが怪我したら大変だからね!色々と‼
「ミーシャ!もう!何処に行ってたの⁉」
「リク?…」
「もうっ…本当に心配したんだから…」
琥珀色の瞳が大きく揺らぐ。よく見たら服も最初の時よりもよれ。髪も乱れている。
探してくれていたのね…。
そしてリクの後から付けていた従者達も同じくらい乱れていたおり、ホッっとした顔を滲ませていた。
あぁ…何か悪い事したな…。
「ごめんなさい……心配かけて…」
何で…私がこんなに心配されているのだろう?まぁ理由は分かっているんだけど…
一応私だって見た目は子供!頭脳は大人…では無いけど中身は成人してるし間違ってはいないはず!取り敢えず大人の部類なはず!
…何かさっき言った言葉どこかで聞いた事ある様なフレーズだな…何だっけ?…
あっ‼名○偵コ○ンだ‼
「⁉…リク」
リクが……リクから手を繋いできた…だと!あの話しただけでも赤面するリクが⁉
ハッキリ言って手繋ぐのも何年かかるかなぁなんて考えていたのに…出会って数時間も経たないうちに自ら手を繋いで来たよ‼
えっ‼えっ…。
リクの従者達も驚いた顔をしているよ⁉
やっぱり…珍しい事みたいだ。何事だ…
「ミーシャ…もう…離れないでね…一人で…何処かに行っちゃ駄目だよ…。」
はああぁあぁ…可愛い‼何この可愛さ!もう…
推せるは…何で赤面涙目+上目ってまぁリクの方が私よりも小さいからそんな形になるんだけど…下手な女の子よりも可愛すぎやしませんか?
私の上目遣いキラキラコーセンより破壊力あるよ!
⚠第一・三、五章参照
お姉さんもう心臓止まりそう…。
「……ミーシャ…?」
「ん?どうしたの?」
「何で…頭撫でてるの?」
「ん〜?可愛いから!」
「……かわ……いい…?」
「うん!……?リク?…リクー…ねーってばリク」
その後何度かリクに話をかけているが無視されたのでる…何で?
ー現在ー
そして今に至る訳なんだけど…。
はぁ…何でなの?私何かやらかしたのか…?
せっかくリクと合流して庭園に無事到着したのに…。この重い空気っていう…。
取り敢えず謝らなくちゃ何も変わらないよね。
「あのねリク…さっきは…わっ⁉」
すれ違いざままたもや…人にぶつかってしまいコケるっていう…。私…人にぶつかりコケる回数多くないか?呪われてるのかな?
「…っミーシャ⁉だ…」
「余所見をしていて申し訳ありません。…大丈夫ですか?」
あれ?…もしかして⁉
ーーーーーーーーー☆ーーーーーーーーーー
次回やっと彼らを出せそうです!
そしてついに★力(エナ)絡みが!
今後にも深く関わる予定なのでお楽しみに☆
⚠青山先生…勝手に使ってしまい申し訳ありません…。
ご無礼をお許しください。
次回もお楽しみに(*´艸`*)
以上!
転生!してモブになったのはイイけど〜モブの方が狙われやすいだなんて聴いてない⁉〜 美叶斗 @sm4012
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