このキセキずっと
「ねぇ!」
自分思ったよりも大きな声が出る。隼人君は少し驚いたようにこちらを見て、少し微笑んだ。
あぁ、これを聞いてしまったら.....本当に終わってしまうかもしれない。そんなマイナスのイメージが頭の中を占拠する。そんな考えを振り払うように私は頭を横に振る。
「ん?なに?」
でも、もし神様がいたとして......私に味方してくれたとしたら......。なんて淡い期待をしてしまう私は本当にどうかしている。
「あの〜さ、前言ってた......隼人君の好きな人って誰?」
そう私が聞くと、隼人君はまた驚いたような顔をして私の方を見つめていた。
「え、どうしたの急に......そんなに気になる?」
まぁ、そりゃそうか......好きな人の話なんてそう簡単に聞かせて貰えないことくらいわかっていた。
「今、近くにいるんだよね......。でも、どう思われるだろう......。」
「近くにいるなら、伝えた方がいいんじゃない?明日、伝えられるかもわかんないし。」
もう無理だ、そう思った。だから私は隼人君を応援する意味も込めて、こう言ってみた。
「わかった、じゃあ......そうするよ。」
そう言った隼人君の顔はとても真剣だった。
「俺さ、好きだよ。咲良ちゃんのこと。」
「え?!」
まさか、そんなことはないだろうと思っていたけれど.....そのまさかが今目の前で起こってしまった。
「だから、好きだって言ってんじゃん。伝えろって言ったの自分じゃん。」
「それは、そうだけどさ.....。いきなりすぎてさ.......。」
本当にいきなりのことすぎて、これが現実かどうかも分からない。
「あ、でも......咲良ちゃんは違う人の方が好きもね。だって俺.......普通じゃないから....。」
そんなことはない....人と違おうが私が好きなのは、隼人君だから。
「そんな悲しいこと言わないでよ.......私も好きだよ?隼人君のこと。人とちょっと違うだけで、嫌いになんてならないよ。」
こんな言葉で、伝わるかどうかは分からないけれど、一生懸命伝える。
自分が、絶対に後悔しないように。
「そっか、そうだよね。ありがと......俺嬉しい。」
「じゃあ........」
「うん、これからもよろしくね。」
すごく嬉しかった、自分の気持ちがちゃんと届いたことが。
君と一緒に居られる、それだけで私は....今の何倍も強くなれる。心に雨が降っていたって、一瞬で止んでしまう。
それくらい、私にとっては特別だから。
「ソーダ飲んでて、よかったかも。」
私は隼人君に聞こえないように、そう呟いた。
Happy Lucky Soda Magic! 七瀬モカᕱ⑅ᕱ @CloveR072
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