フィン感と私

水木レナ

フィン感との出逢い

 大変お世話になっております、水木レナです。

 これは十年前――のことではない。

 今年の五月に入ってからのことだ。


 フィン感、と聞いてピンとくる方は、すでに前情報を手にされていることと思う。

 そう、フィンディルの感想、ことフィン感だ。

 ファンボックスにて活躍中の、フィンディルさんによる「短編小説の感想」のこと。


 初めはカクヨムユーザーの間で、ひそかに近況ノートで交わされていた噂が発端だった。

 お名前を出してしまうが、許されるだろうか。

 ゆうすけさんとえーきちさん、そしてHan Luさん方のノートでの会話を、ちょうどノートをはしごしていて見つけたのだ。


 フィンディルさんって、すごいらしい。

 外国人じゃないよ。

 優しい方だ。


 というのは、お話させていただいてわかったこと。


 そんなに、すごいのか!

 その情報にある種の疑念を抱いたとすれば、「感想」がすごいだなんて、今まで聞いたことがない! という点においてのみ。

 ならばと思って、実際に拝読してみた。


 すごかった。

「あむあむあむ」というフィン感の前進である感想編を読ませていただいたが、けちょんけちょんなのと、盛大に褒められているのとがあり、バランスがよくわからなかった。

 でもすごい。


 フィンディルさんが、基本的になにをどう、面白いと感じるかは予想がつかない。

 なのだけれども、作品一つ一つに並々ならぬ寄り添い方をしていて、けちょんけちょんだろうが、絶賛だろうが、「この作品はおもしろいんだぞー」という思いで書かれてるのがわかる。

 そのうえで「もっともっとおもしろくなれるぞー」という愛ある指摘が満載。


 これは、と思った。

 惚れずにおれるかと思った。

 フィンディルさんは、他の作品や名作などと引き比べてくれたりはしない。


 それは、「今」問題にしているのは「この作品」そのもののおもしろさだから。

 しびれましたね。

 若干お疑いならば、作者の近況ノートにて張り付けてあるURLをどうにかたどってファンボックスまでたどり着いていただきたい。


 九月からは支援制度も導入されるので、カクヨム規約により大っぴらに宣伝できかねるので、ご承知おきください。

 でもって、無料プランもあるので初めての方も安心です。

 有料、と聞くと「個人の感想」に「お金」が絡むのを嫌う人もあるだろう。


 私もそうでした。

 フィン感、確かにすごいけど、趣味で書いてるものに趣味の感想をもらって、で、お金支払うの? ってー。

 でもね、自分の作品に感想をもらったら、そんなことは言っていられなくなりますよ。


 感動モノなんです。

 作者が絶叫して号泣して、これならば、と思う感想。

 私はお礼に三万円お包みしてぜんぜん苦じゃないと思った。


 私が感想をもらったのは二作。

『葉桜の君に~虹を渡れば~』と『ネコの大工』でした。

 素晴らしい、の連発で「ほ、ほんとに……?」って思った。


 フィン感て、歯に衣着せないんじゃなかったの? ずばずば切ってさばいて、さらすんじゃなかったの――?


 そんなことはなかった。

 ある種、麻薬チックな作用をもたらす、そんな作品。

 作品、といったらぴんと来ない方もあると思う。


 けれど、一回でも経験すればわかります。

 ドーパミンがドバドバ出て、頭の中がぽわーんとして、胸の底があったかくて。

 しかも、すごいのはそれだけじゃない。


「もっと磨ける。自分はもっともっとやれる(はず)」と心に思うのです。

 モチベーションが上がること間違いなし。

 ひとつ難があるとすれば、点数制度を設けられているので、あからさまに自分の立ち位置がわかってしまいます。


 それはそれで、理にかなっているし、全然問題じゃないけれども。

 85点取れる人が、80点の作品を応募すると、さすがにフィンディルさんは残念に思われるらしく、感想をお断りされてしまうことがあること。

 それは、作品作りに邁進する作者にとって、大変なプレッシャーになります。


 80点だって悪い点数ではありませんよ? ですがその作者は実は85点の作品が書けるんです。

 応募した時点で、何点くらいかな? と予想を立てておくといいと思います。

 とにかく、気の抜けた作品を書くと、がっかりされてしまいますから。


 以上のことから、私はフィン感を貴重かつ大切に思うと共に、フィンディルさんをたいへん畏れています。

 だって、最初に応募した作品が90/105点でしたからね。

 それ以上を目指さないと、堕落したと思われてしまう。


 フィン感は麻薬チックだと申しました。

 正直、フィン感がないとやっていられないような気持になる人もあるでしょうし、それがフィン感なのです。

 ですが、フィン感に責任を求めるのは間違っています。


 フィン感利用者は、あくまでも利用者。

 節度を守って、おぼれないように、うまく利用しましょう。

 フィンディルさんツイッター→ https://twitter.com/tatitutetochips


 なんか説教臭い気がしていますが、これにて!




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