忘れられないの

ヨル

忘れられないの

なんでもない人の背中を見て、またあなたの事を思い出してしまった。

後ろ姿が似ていた。

小さく結ばれた髪が、後れ毛が、襟足が。


こうしてふとした時に私はあなたに思いを馳せる。そして振り出しに戻る。


忘れたいと思うほどひどく終わっていればよかったのに、あなたは私を受け入れ、そして優しく振った。


だからこそ時が経った今でも私の中ではあなたはこうして生き続ける。

あなたの中では私は死に続ける。


あの頃の恋を、私をどうか終わらせて。



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忘れられないの ヨル @0317asa

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