欺きの魔法使いメイレイ
エムエム
第1話欺きの魔法
誰かが言った。
この世界は神という巨人に支配された存在であると…
誰もが神に生かせれ神無くして生存することはできない。
この世界に生きるということは神に支配されるということであり
何かを得るためには神というシステムに支配されて生きなければならない。
つまり神に愛されなかったものは
無意味な人生を送ることになるのだろう。
だがこの世界が神という母体のシステムにより成り立っている以上全ての物事には裏技や抜け道という概念が以前として存在するものである。
ある土地で一人の人間が魔法という奇妙な技を使いだした。
魔法は奇跡をおこし火や水天候などを自在に操作するという現象起こした。
やがて魔法文化は発展し魔力によって優劣がつけられる時代となった。
何故魔法の世界に優劣などという概念が存在するのだろうか。
魔法とは本来神を騙し欺く技。
私は神を欺く欺きの魔法使いメイレイ。
今日は10年に一度行われる魔法対戦の日。
選ばれた魔法使い10人で殺し合いをし生き残ったものはどんな願いも叶えられるという。
私は今夜開催される魔法使いバトルロイヤルの会場の扉をゆっくりと開く
会場にはバトルロイヤルに参加する魔法使い達が全員揃っています。
「すいません。遅くなってしまいました。まだ始まっていませんよね。」
会場に現れたのは白髪に赤紫の瞳猫の目付きをした美少女。
その姿は人を魅了し見た者を呪い殺すかのような相貌だ。
そして隣には猫型のサーヴァントを連れていた。
「誰だお前?最後の一人は究極の魔法使いディクトリーだったはず」
「私は欺きの魔法使いのメイレイと申します。どうぞお見知りおきくださいまし。究極の魔法使いディレクトリーさんを殺害し代わりにこの対戦の参加資格を得ました。」
「お前がディクトリーを?何の冗談だ。お前の魔力ではディクトリーを倒すことなど到底不可能なはずだ」
創造を遥かに凌駕する魔力で男は威圧してくれ。
会話だけで殺されてしまいそうだな力の差を物語っている。
だが少女は全く異に介さず
会話とは的外れな問いを投げ掛ける。
「あなた様は神に選ばれし存在でしょうか?」
「よろしければその幸運を私に分けてはいただけませんか。」
祈るかのようなその瞳には全くの驚異を感じられない。
彼女は本当に理解してこの魔法使い同士の殺しあいの場に参加しに来たのだろうか?
「あ?何わけわかんねーこと言ってやがる。ぶっ殺されたいのか?」
男が大きな殺意を向けてきたがその時
「ニャーッ(怒)」
使い魔の猫が男を威嚇した。
「なんだお前?殺されたいのか?」
「すいません。この子を人の殺意に敏感なんです。許してあげてください」
「駄目だ。俺は俺に敵意を向けてきた相手を一度たりとも生かして帰したことはない。」
その瞬間男の声によって行動は遮られた。
会場のモニター画面より悪魔のような仮面を被った男が写し出された。
「ようこそおいで下さいました。」
「私はこの大戦を主催する○○と申します。」
「あなた方はこの魔法世界で神に選ばれし10人の魔法使い。」
「この魔法バトルロイヤルで生き残ったもの唯1人が神の寵愛を受けることがどんな願いでも意のままに叶える権利が与えられます。」
ここに集まったのは世界でも屈指の魔力と特殊な魔法を体得した者たちだ
破壊の魔法使いディスト
先ほどひと悶着あった男
彼は屈強な肉体で肉弾戦に特化した戦闘服を身に纏った大男
扱う魔法は破壊副成魔法。
自らが干渉し破壊した場所に副産物を生成する。
魔力ランクは99
武神の魔法使いテルム
彼は金色の鎧を身に纏い騎士のような姿で佇む金髪の美男子だ
扱う魔法は武器創造魔法であらゆる物体を神器に変換する
彼の手に触れたものはおもちゃの剣であれ棒きれであれ聖剣となる。
魔力ランク90
次元の魔法使いジーク
古びたマントと帽子を身に纏っており狂人のような風貌だ
右手に剣を左手に銃を持つ
扱う魔法は光魔法を応用した二次元眼というものだ
彼の視界に写ったありとあらゆる現象は二次元的に処理される。
魔力ランク88
遮断の魔法使いネグレスト
黒いマントと帽子を身にまとっている魔女のようか風貌の女性。
遮断魔法を得意とする魔法使いで
ありとあらゆるセンサーを通過できる。
魔力ランク70
骸の魔法使いメデュラ
猫背でよぼよぼの老人
骨格変形魔法が得意としている。
魔力ランク60
詳細は謎
虚構の魔法使いエフェメラ
仮面を被った謎の成人。
虚数電界魔法を得意とする。
詳細は謎
魔力ランク40
灰塵の魔法使いルウィス
魔法使いのローブを見にまとい高貴さを思わせる魔女。
粒子合成魔法を得意とする。
4大属性の炎を起点としその他の元素を合成することで
雷の特性を持った炎
水の特性を持った炎を産み出せる。
魔力ランク92
冥道の魔法使いブリード
幽体魔法
白い服を着た科学者のような風貌の小男で戦闘に向いてなさそうだが
側に神話に出てくるような恐ろしい魔物をつれている。
幽霊世界の物理法則を探求しているとのこと。
魔力ランク15
改竄の魔女チェルシー
金髪でニット帽を被った女の子
改竄魔法を得意としており
アカシックレコードにアクセスしてそのコードを書き換えることができる。
人体移動を繰り返しており現在の体は持ち主の女性から乗っ取ったもので本来の姿ではないらしい。
魔力ランク???
最後は私
欺きの魔女メイレイ
魔力ランク1のどこにでもいる底辺の魔法使い…
魔力ランクはその言葉の通り魔力の強さを表す。
魔力が高いほどマナに好かれやすく強力な魔法を使用できる。
私はこの強力な魔法使いたちとの戦いに生き残らないといけないらしい。
「ルールは簡単です。」
「この場の者たちでお互いが息耐えるまで殺しあい生き残ったただ一人が優勝なります。」
「こりゃ俺の優勝で決まりじゃねぇか。ちゃっちゃと終わらそうぜ有象無象どもが」
ディストがそう言って周りを挑発する
「聞き捨てならないねディスト僕の武器創造魔法に敵はいない。なんなら最初に君を…」
ズバ
その瞬間ディストの首が何者かに切り落とされた
「あ…?」
「もう始めてもいいのだよな。ヒッヒッヒ」
不気味な笑い声をあげるのはジークだった。
先程の攻撃は次元切断による距離を無視した攻撃で彼が放ったものだ。
首を飛ばされたテルムはピクリとも動かない。
テルム死亡…。
会場は静まり返る。
「まだ始まっていません。勝手な真似はやめてもらいたい。次やったら退場してもらいますよ。」
「だったら早くやろうぜ殺したくてたまらねぇぜ。」
「ではこれより皆様を別々の地点にワープさせます。それを合図にこのバトルロイヤルをスタートとします。」
男がそう言うと私たちは足元の沼に引き込まれていった。
「ではまたお会いましょう。正確にはこの中で生き残るであろうたった1人と」
…
2話真理
人間には道徳的な思考回路が組み込まれており思考回路、意思決定は脳の条件的な反射によって行われるものである。
真理とは最初から確定付けられた正否であり自明の理である。
ただし真理には裏表があり
視界にハエが遮った際に起こる条件反射は視界にいる場合の条件反射Aといない場合の条件反射Bに分けられる。
これは視覚というセンサーに反応した際に脳に条件反射として伝えられるが
視覚にいないという現象に対してのセンサーは存在せず条件反射は起こらない。
その対策案としてインバーター回路が設けられている。
インバーターとは簡単に言うとセンサーを逆転させるということだ。
これにより逆転したセンサーを発生させることが可能になる。
本来は脳の膨大な情報処理を削減するものだが
時折バグの発生により人間は簡単に死ねるようになっている。
…
ここはどこなのだろう?
気がつくとさっきとは別の場所に倒れ付していた。
見た感じ荒廃したビルの中
この対戦バラバラに飛ばされた地点から相手を探さないといけないようだ
そう思ったやさき女性の声が聞こえてきた。
「どうやら偶然みたいね。最初から魔力ランク1のやつが相手だと肩透かしだけどまあいいでしょう。」
背後を見ると遮断の魔女ネグレストがいた。
どうやら同じ地点に飛ばされてしまったようです。
「あはは…偶然ですね。見ての通り私は魔力ランク1のか弱い雑魚魔法使いです。これも何かの縁でしょう手を組みませんか?」
私は苦笑いを浮かべながら提案をしてみる。
「その必要はないわ。あなたはここで死ぬ。絶望に嘆きながら」
どうやらサイコキラーらしく全く話は通じない。
そしてその瞬間視界から彼女は消えた。
「遮断魔法イグノア。ありとあらゆるセンサーを遮断する。」
「この魔法を発動した瞬間生物が五感で私を感知することは一切不可能となる。」
「今あなたの背後。首に刃物を突きつけてるけど存在感さえ感じられないでしょ。」
「さよなら…。」
私は首を一瞬で首をはねられ死亡した。
「本当にあっけなかった。魔力ランク1とは言え何かしてくるとは思ってたけど…またいいわ。」
「ゆっくりと眠りなさい。」
そう言ってネグレストがその場を去ろうとした矢先
「酷いです。いきなり殺すなんて…。」
「なんですって…?」
ネグレストが振り向くと殺したはずのメイレイが何事もなかったかのように立っていた。
「驚いたわ。なんで生きてるか知らないけど、もう一度確実に殺せば良いだけでしょう。」
そして私はネグレストに何度も殺されるがその度に私は復活した。
「何回殺せば死ぬのよ。」
殺すたびに蘇生するメイレイにネグレストは苛立ちを覚えれる。
再び攻撃に移ろうとする瞬間だった。
ネグレストの視界からメイレイの姿が消え存在を感じとることができない。
「これは遮断魔法。」
「いいえ遮断魔法ではありません。」
「私の魔法、欺きの魔法は物理法則、自然法則、神の束縛から逃れる力。」
「そのうちの1つ真理の欺きは殺意の目で私と目を合わせたものに対して発動できる。」
「真理の欺きにかかったものの真理の理は逆転する」
「全ての成功は失敗になり全ての正解は不正解となる。」
「つまり私が視界にいる限り私を見ることはできません。」
「逆にあなたの遮断魔法のおかげでこちらからはあなたの姿がしっかり見えます」
「そんな魔法聞いたことないわ。」
「正確には脳の誤作動のようなものですからファンタジックなことは何もしてませんよ」
「ではそろそろ死んでください。」
その瞬間ネグレストは自分の持っている刃物を自分の首に自ら近づけた。
自分の体が自分を殺そうとしていた。
「なにこれ?心が制御できない?」
「人間の行動原理は優先順位によって決定付けられています。」
「全ての行動原理において最も優先的なのは生きること。」
「生きるために生物を食し生きるために殺す。」
「生きることが存在目的である人間にとって全ての行動パターンは自分の身を守るために行われるものです。」
「しかし自ら命を捨てる自殺という選択をする人も沢山います。」
「生きることが存在目的である人間にとって
「存在目的が否定された脳が自殺という最適解を導きだすことは自然であり最も優先的な行動であると言えるでしょう。」
ネグレストは自ら自身の首を切り裂き自害した…。
「さようならネグレストさん」
時を同じくして別の地点で激闘が繰り広げられていた。
ジークとディスト
この魔法対戦の中でも最強といえる者同士の戦い。
破壊と轟音が鳴り響く
「アヒャヒャヒャ。死ねー!」
ジークは問答無用で次元切断をディストに浴びせるがディストは岩を粉砕してジークの視界を遮る。
「どうやらお前の二次元眼による切断は視界に写ったものしか切れないらしい。」
「距離を無視した防御不能の次元斬りと言っても視界外のものは対象外なる。」
「それがわかったからどうした?」
その瞬間にジークの頭上に巨大な物体が突如現れた。
炎につつまれた隕石だ。
「さっき破壊した場所にワームホールを現出させ隕石魔法をお前の頭上に落とした。」
「野郎。」
ジークを隕石を次元切断して回避する。
隕石が落下した領域は破壊され炎が渦巻く。
そしてその破壊された領域から魔獣が出現する。
魔獣をジークに襲いかかるも次元切断で素早く抹殺される。
「なるほどそういう能力か。」
「破壊した領域に二次現象を発生させる。その超常災害クラスとはな。」
「だが俺の二次元眼の敵じゃあない。」
「魔獣を一匹殺したぐらいで調子に乗るな。」
「魔獣ぐらいいくらでも呼び出せる。あんなものはただの副産物だ」
「そしてそれ以前に俺とお前では実力差が違いすぎる。」
ディストはジークに人差し指を向け炎のレーザーを発射した。
「ッ!?」
あまりに早すぎるレーザー攻撃にジークは反応することもできず腕を撃ち抜かれる。
「痛ぇッ。まさか俺が反応すらできないスピードとはよぉ。」
「だが次は見切れる。今ので仕留めとくべきだったな。」
ジークは笑いながらディストに襲いかかる。
しかしディストはその場から動こうとするそぶりすら見せない。
「残念だがもう既に終わってる。」
「な…。なんじゃこりゃあああ!?」
貫かれた腕に小さなブラックホールが生成されていた。
「貫いた肉体に直接ブラックホールを発生させた。」
「お前に逃げ道はない。」
「おおおおぉぉぉぉッまだ小和ってねぇ」
ジークはレーザーで貫かれたほうの腕を直ちに切断した。
「ほうブラックホールが全身に侵食する前に腕を斬って回避したか。」
「勝負はお預けにしといてやるよ。ディスト」
そう言ってジークは上空に自らの剣を投擲のように投げ飛ばした。
「なんの真似だ?」
その瞬間ディストはその場から姿を消す。
「逃げられたか。二次元眼にそんな使い方があったとはな。」
…
ネグレストとの戦いの後メイレイは地下の洞窟の中をさ迷っていた。
どうやら謎のトラップに引っ掛かり地下に落とされてしまったらしい。
「ケーキで人を釣るなんて酷いです…。」
欺きの魔法と言っても万能ではない。
できるだけ戦闘は避けたいものだ
よくわからない迷路をさ迷っていると
突然薄ら寒い殺気を感じた
「視界に敵はいませんが一体どこから。」
すると突如壁から恐ろしい魔物が現れた
嫌すり抜けてきた。
「グルルルルル」
「さっきの白衣の男が連れていた魔物ですか。」
「魔力ランクは1200…。人間が勝てる相手では無いですね。」
私は魔物のステータスを確認した直後速攻で逃げ出した。
すると魔物は容赦なく襲ってきた。
「真理の欺きは自身に殺意のこもった目で私と目を合わせた物に対して発動できる魔法ですが人間以外には効果がないです。厄介ですよね」
スピードは制限があるのかそこまで早くはない。
しかしこのままでは追い付かれてしまう。
「ニーシャ時間私が逃げ切るまで時間を稼いでください。」
メイレイは使い魔の猫ニーシャのマナ供給を一時的に一千倍にした。
猫の姿は巨大な恐ろしい魔物に変貌する。
「時の欺きタイムグロウス」
「タイムグロウスは時計に支配されないものに対して発動できる。」
「人間以外であれば一瞬で爆速的に成長させることが可能です。」
全ての時は平等でありゴールまでの到達に裏技など存在しない。
しかし時の欺きはその時の壁を突破することができる。
「悪魔で一時的なドーピングに過ぎませんが…。」
強力な魔物同士がぶつかり合う。
しかしミーシャの攻撃は全てすり抜けられ瞬殺されてしまうのであった。
「ダメでしたか…。使えない猫。あの魔物チートですね。」
メイレイは階段までたどり着くと動きを止める。
魔物は猛スピードで襲いかかるが
階段までたどり着くと魔物は動きを止めた。
「進めませんよね。これ以上は。」
「私魔法にとっても詳しいんです。その魔法は幽体物理魔法というものですね。」
「優待物理魔法はこの世の物理法則から外れた存在。幽霊などに対して発動できる魔法。
「幽霊は物理法則に縛られない存在ではありますが同時に干渉することもできないため決められた領域内での移動しか許されない。
侵入不能領域まで可動域を広げるためには擬似的な物理法則を適用させる必要があります。」
「それには莫大な計算式による術式を行使する必要があり移動できるのはこの地下道に限られるでしょう。」
「また動かせるのは平らな平面のみで階段などの小さな遮蔽物でさえ越えることはできない。」
「すり抜け能力は驚異ではありますがネタが割れれば大したことではありません。」
私が種明かしをすると白衣の男が現れた。
「驚いたよ。私の魔法を熟知している物がいるなんて、
確かにそいつはこの世界の生物ではないため物理世界に干渉できない。
だから私の魔法で擬似的に干渉できるようにしている。当然制約はあるがほぼ無敵さ」
メイレイは姿を表した男に対して真理の欺きを発動しようとしたが
魔物を介しての殺人的行動に真理の欺きは効かなかった。
「そして残念だが私の視界内であれば移動による制約はない。」
「やれセクレトそいつをぶち殺せ。」
ブリードは魔物にそう命じ魔物が再び襲いかかろうとした瞬間メイレイはあることを呟いた。
「我が名はブリード…。主に従いなさい。」
すると魔物はメイレイへの攻撃の手を止めブリードのほうへと振り向いた。
「何の冗談だ。」
するとゆっくりと魔物はゆっくりとブリードへと歩みを進めた。
「おい、止めろ馬鹿な真似!」
「権威の欺きは自分の名前を触れた相手の名前に書き換えその権威の行使における優先順位を自分とする魔法です。」
「その魔物私にください。」
「貴様何者だーー」
ブリードは自身の使役する魔物に逆に襲われ1秒もかからぬうちに肉塊と化したのだった。
…
数年前のある日のこと
魔法学校で個別対抗試験が行われた。
私は対戦相手の女の子に欺き魔法を使った。
「真理の欺き。生きている限り生命活動を停止する…。」
「…」
その子の心臓の鼓動は停止し脳に酸素は供給されず
体は徐々に滅びていく。
「メイレイ!今すぐ魔法を停止しなさい。」
「殺意を向けてきたのはこの子ですよ。死んで当然だと思いますが」
「失格にしますよ。」
「仕方ありませんね。end」
その瞬間その子は息を吹き替えした。
「カハッ!はぁはぁ。…私今死んでいるの?生きているの?」
女の子は恐怖と絶望のあまりあの世とこの世の区別ができていないようだ。
「大丈夫です。あなたは生きています。次はありませんからね。」
ゾクッ
私はにっこりと笑って優しく忠告した。
「という夢を昨夜見ました先生。」
「ああ夢ね。」
私はとある病院に通っていた。
どうやら自殺しようとしていたらしく息を吹き替えし現在病院生活で精神的な治療をしている。
「もう1ヶ月ほど立つが病院の生活は馴れたかな。」
「はい。みんな良い人たちで励まされました。先生にも感謝しています。」
(最初の頃は死んだような目をしていたが今では笑顔で明るい表情だ。)
(…だが彼女と話していると奇妙な感覚に襲われる。)
(患者と接する喜びが庇護欲が何故か殺意に変わっていくようだ。感情が制御できない)
(思考をコントロールされているのか?)
(嫌ありえない。彼女からは魔力はほとんど感じない。微弱な魔力だ。こんな優しい子がそんなことをするはずがないだろう。)
「どうしたんですか先生?顔色がよくありません。何か悩みがお有りなら私で良ければ相談に乗りますよ。」
「嫌いいんだ。特に問題はない。」
(…可愛い殺したい可愛い殺したい
可愛?殺可?愛殺??
ヤバイ頭がおかしくなってきた。)
「そうですか。わかりました。何かあればいつでも言ってくださいね。先生は私の救世主ですから」
そう言ってメイレイは診断室から退出した。
(危なかった。もう少しで殺すところだった。彼女の能力によるものなのか私が狂っているのか。どちらにせよ早く退院してくれないと不味いな。)
メイレイは病室に帰りながらニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
「ふふ…さあ皆さんを不思議のワンダーランドへご招待しましょう」
数日後病院で奇妙な現象が起きた。
鬱病患者以外の大半が自殺。
屋上で自ら命を経ったとのこと。
植物状態の者は息を吹き替えし
盲目の者は全員目が見えるようになった。
正に天国と地獄の逆転。
そして
メイレイは病院から姿を消したのだった。
魔女だよあいつは…。
…
破壊された大地で男は怒りにうち震えていた。
(なぜだディクトリー。お前は俺が唯一認めた男。お前がいないこの戦いなどただの茶番に過ぎない。)
そこへ一人の女性が声をかけた
「ずいぶんと機嫌が悪いみたいね。ディスト。」
そういって女性はディストを挑発する。
「なんの用だルウィス。殺されに来たのか?」
「嫌よ。勝てるはずないじゃない。私はあなたに忠告をしに来たの。」
「メイレイあの子は危険だわ。」
「何か知っているみたいな言いようだな。」
「私と手を組みなさいディスト。最後の二人になるまで敵を全滅するの。」
「くだらん。俺一人で十分全滅できる。手を組んでやる必要性はないな。そして当然姿を表した以上お前には死んで」
すると物陰から音が聞こえてきた。
見るとそこには少女が猫のポーズしながら猫と話をしていた。
「にゃ~~」
「猫と対話しているわ…。」
「知的障害か?」
「あや?見つかってしまいましたか。次々に強敵と遭遇するなんて私は運が良いようです。嫌悪いのでしょうか。」
「欺きの魔法使いメイレイか。」
「丁度いいじゃねぇか。ディクトリーの件はてめぇをぶっ殺してから聞けばいい。」
「はてディクトリーとは一体誰のことでしょう。記憶から消しました。」
「なに!?」
メイレイにふざけている様子はなく本当に知らない様子だった。
「冗談は置いておいて非常に不味い事態なのは否定できません。」
「欺きの魔法は自分が2人以上に干渉されている場合発動できませんから。」
そういいながらもメイレイは余裕の表情である。
「どういうことだ?」
「こいつの魔力レベルはゴミ以下だが身体能力もたいしたものではない。むしろド素人の動き。」
「なのに全ての攻撃が紙一重で避けられている…!?」
「私は何もしてませんよ」
「あなたがたが勝手に外してくれてるんです。正確には操っていたというべきなんでしょうか。」
「…どういうことだ?操られていただと?俺たちが?」
「理解できないのも無理はありません。」
「あなた達人間は存在しない疑問を疑問として定義することができないのですから。」
「あなた達の身には何も不自然なことは起こっていません。」
「これぞケットシーにまつわる魔法、鏡猫の魔眼です。」
「正確には鏡の欺きと言っておきましょう。」
「2人以上が自分を観測している場合他人に欺きの魔法をかけることはできないです。」
「ただし自分自身に欺きの魔法かけることは可能です。」
「猫鏡の魔眼は世界が鏡に反射した世界を見ることができます。」
鏡を見ながら二択問題をしているようなものだろう。
実際の自分の意思とは違う行動をしていることになる。
「鏡の世界で行動する私に対して意図して逆説的行動を取ることになります。」
「私が避ける場所にわざと狙って攻撃してくれてるようなものですよ。」
「魔法学校で同じだったの。魔力はゴミみたいだけでとても勉強ができる賢い子だった。」
「彼女が使えた魔法は真理の欺きという魔法だけだった。」
「真理の欺きは存在しないものを存在として定義する力」
「目に見えないものは存在しないものと同じであり存在しないものを条件的に判断することはできない。」
つまりは通常の人間の10倍のノードを持っていて物事を五次元的見ることが可能なんじゃないかしら」
「やつにはそれができると?」
「真理の欺き以外を使ったことは見たことないけど後から二次的な副産物としてその他の欺き魔法を会得したんでしょう。」
「ちなみにルウィスさん。魔法学校で私と会ったことがあると言っていますがあなたと出会ったのはここが初めてですよ。」
「え…。まさかありえないわ…」
メイレイの言っていることは本来であればデタラメと片付けることは可能だが既に不自然な現象が起こっている以上。
信じられないと安易に片付けることができない部分もあった。
「冗談ではなく本当の話です。」
「時の欺きによるタイムトレードで時間記憶を入れかえたんです。私とあの会場で会った瞬間私と会ったことは過去の記憶となりました。」
「これが…誤りの記憶だといつそんなことを。」
欺きの魔法使いメイレイ エムエム @miyasi451c
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