渡り鳥さんの異界料理店

3頁目 包丁のメンテナンス

第7期4日。

本日のお魚料理：『あじ』のフライ

本日のお肉料理：『ぶた』肉のかれー

レシピ：頭の中

覚え書き

・以前提供した事のある『あじ』のフライは高温でサッと揚げることを心がけ、パサつきを抑えた。ふっくらとした満足できる出来になった。

・昨日好評だったかれーには昨日のメニューのスパイスに加え、かるだもんとじんじゃーを入れた。

・かるだもんは少量でも良い香りがして、ピリッと辛い。風味も独特なのでポイント程度に。

・じんじゃーというスパイスは面白い。乾燥させて粉末状にしたものと、生のものを仕入れてきた。しかし、生のものはカレーには合わない。スライスして入れてみたり、もっと細かくして入れてみたが水分が多く出てしまうのと、ネンプルというこちらの世界のスパイスと合わないので乾燥したじんじゃーの方が良い。

・生のものも他の料理へ利用できる。夢界では乾燥のものと併せて甘味にも使うスパイスらしい。今後も研究していこうと思う。

・『ひつじ』の肉と比べ『ぶた』の肉はかれーにした時に独特のくせが無く、どんな調合のスパイスとも合う。一般メニューとして提供するのであればこちらの方が向いているだろう。

　お店の開店時間はいつもは10の刻だったが、今日は11の刻にした。愛用している包丁のうちの1本、ドメルテイト鉱石製のペティナイフとレインナイフ―夢界では牛刀とか洋包丁とか言うらしい―をメッサー工房さんの所へメンテナンスに出すためだ。毎日研いでいたはずだったのだが、少し切れ味に違和感を感じたので早めに見てもらおうと思ったのだ。おばあちゃんのお店の手伝いをしていた頃からずっと使っていたので長く使っていた故のものだろうか。

　メッサー工房さんでは職人のミツミネさんという方が包丁を研いでくれているらしい。キツネ族の方で、会ったことは無いのだが技術は本物だ。以前他の包丁を研いで頂いたのだが、新品よりもよく切れるし、切れ味が落ちない。いつかお会いしてお礼を言いたいものだ。

　明日の朝早くに受け取りに伺う事になっているので寝坊しないようにしなければ。今日は新メニュー開発を頑張りすぎて夜遅くまで厨房に立っていたので疲労困憊している。明日しっかり起きるためにも、早めだが、この辺りで日記を切り上げて寝ようと思う。

　おやすみなさい。良い夢と食材を。