ガンガン部隊Ⅱ ―昭和の風景
昭和38年に小樽に嫁いできたKさんの聞き語りです。
夫がまだ幼かった頃、K家は子だくさんで、義母が山に入り暮らしを支えていました。行く処は季節により様々で、握り飯を手に、小樽から遠くは函館までも夜行で向かったそうです。夫が山菜やキノコに詳しかったのも、後年仕事の休みには、義母を連れて一緒に山に入っていたから自然の成り行きだったのでしょう。私も漬け物や山菜の保存法等、兄嫁さん共々いろいろ教わりましたよ。
義父はガンガン部隊の一員となって干し魚やかまぼこをかついで、岩見沢方面へと出向いていたそうです。よほど、芸事が好きだったんでしょうねえと笑いながら、笛や太鼓が上手で、祭りともなると『バナナのたたき売り』で、素人ながら名を馳せたそうです。女性ばかりのガンガン部隊のなかにあって、芸人はだしの義父はたいそうなモテかただったとか、しっかり者の義母がついていればこその話ですよと言外に伝わってきます。
後年まで義母は山に入り、
あゝ、そういえば、西陵中学に登校時、三角市場の階段の下でみかけた人がそうだったのかもと、改めて不思議なご縁を感じたものでした。
戦争の臭い 舟虫 @fusayo
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