空に走る
ゆうすけ
第1話 雨が降りやむまでは帰れない
「どうしてなの? なんで? ねえ、ツカサ! 話が違うじゃない! 何とか言ってよ!」
「何度も言いたくないんだ。俺たち、もう終わりにしようってことだ。おまえとはもうこれきりにする」
「イヤよ! そんなの、絶対イヤ! ねえ、ツカサってば!」
「おい、やめろよ! 危ないじゃないか。運転中なんだ。離せよ! ハンドル掴むの、やめろ! 事故るぞ!」
「離さない! ツカサに捨てられるなんて……、そんなのイヤ! ツカサに捨てられたら、私、生きてても意味ない!」
「おい! 離せ離せ離せ!」
「イヤよ! 離さないから!」
「ああーっ!」
キキキキキー
ドスン
◇
「それでは次のニュースです。昨日の午後十一時ごろ、神奈山県川北市の県道で、乗用車が谷に転落する事故がありました」
「乗用車は、山側の側壁に衝突した反動で対向車線に飛び出し、谷側のガードレールを突き破っておよそ六十メートル下の谷に転落。車内からはこの車を運転していたとみられる
「現場は片側一車線のカーブの続く山道で、事故当時、雨が降っていました。警察では五十島さんがスピードを出しすぎてカーブでスリップし、運転を誤ったものとみて調べています」
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