香気
藥
B
あの人は、きっとこんな香りだった
そうやって吸いたくもない煙草に火を付ける
思い出すように
きっともう、
髪を切ったり、髪色を変える度に
あなたを思い出すのだろう
悲劇のヒロイン気取ってる自分が世界で一番可愛くて
世界で一番汚い
それを言って、それをしたところであの人は私のものになるの?
私の初めてを奪ったあのクソ野郎の香りを纏って大好きだったあの人に会いに行く
この香りを嗅ぐ度に私を思い出せ
ただの好意で私が弱くなった
煙草の香りがする男が嫌い
貴方以外
枕なんていらないよ
貴方の腕があれば
あんなに幸せな時間なんて、もう無いと思うの
あんなに幸せな朝なんて、もう来ないと思うの
目が覚めても、貴方が抱き締めていてくれたから
安心してまた眠ることができたの
でももう、目が覚めても貴方は横にもいないし
目が覚めても、抱き締めていてはくれないのね
あんなに好きだったのは、私だけだったのね
もう一度だけ抱き締めて
なんて言える程私は可愛くない
香気 藥 @1224_di
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