第4話
朝。
熱も下がり倦怠感も抜け、私は大きく伸びをした。カーテンから夏の陽射しが刺してくる。
カーテンを開けると、外は太陽の光に照らされ、全てが眩しく輝いていた。子供の頃、おばあちゃんがこの世は光だよ、と言っていたけど、最近、つくづくそう思う。
食欲も無く、親と話すことも無かったので洗面所に向かって身繕いをした。
ふと、昨夜の真也からのLINEの内容を思い出し、アプリを開いて見る。
「好きだよ」
何故かこの言葉が真っ先に目に止まった。
昨日のあいつは、おかしかった。真也があんなもの腰を私にしたことなど無いに等しい。
というか、あれは本当真也だったのか?
とにかく学校に行けば何かわかる。
そう言い聞かせて、最期の支度を終えて、家を出た。
・・・・・
1日会ってないと、こうも懐かしくなるのか。
私は友だち一人ひとりに挨拶を済ませた。
親友のマリを見つけ、声をかける。
「おはよう」
「おはよう。もう大丈夫なの?」
「熱も下がったしね。所で真也は?昨日さぁ夜中にあいつからLINEが来てさぁ……ん?」
マリの顔から血の気が引くのが見て取れた。
「ねぇ…それ…本当?」
「そうだよ!ほんと、信じらんないよね。」
「いや、そうじゃなくて……」
その時、教室から担任のしゃがれた声が私の名前を呼んだので、
「じゃ、また後でね」
そう別れをつげ教室に入ると、1箇所だけ机に花が飾ってあった。
それは真也の席だった。
つづく
男友だち アキ @Akibi60
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