第3話真夜中の通知

 そのニュースの内容はこうだ。

「今朝、午前7時30分頃、国道○○号線で荷物を積んだ大型トラックが車道に落ちていた箱を避けようと急ブレーキをかけるも、重心を崩して転倒。その時、向かい側から右折した乗用車が逃げきれず下敷きになった…」


「乗っていたのは大人2名どちらも即死、未成年者2名のうち1人は意識不明の重体1人は死亡。警察は直ちに身元を究明中。」


 トラックの運転手は軽症だったそうだ。


 夏休み前だと言うのに、なんとも痛ましい話だ。


「こっちが気をつけても、あっちがってのがあるから。」そう母は顎に手を当てながら台所に向かった。


 ・・・・・・


 あれからどれくらい眠っただろうか。親はもう寝たか。階下は静まり返っている。私は熱のせいか、目が覚めても頭が重く、体は火照っていた。「未成年者2名のうち……」


 はっ。


 いきなり頭の中でさっきのニュースが浮かんだ。その時、スマホの通知音がした。私は思わずビクッと反応してしまった。見ると真也からまたLINE。


「こんな時間にごめん🙏💦もしかして寝てた?あのさ、早希に言いたいことがあるんだ」


「なーに?」


 しかし、返事が来ない。もしかしてあっちが寝ちゃったかな?


 しかし30分して真也から返信。


「俺さ、好きな人がいたんだ。ずっと告ろうと思ってたんだ。で、明日学校で必ず告るぞって友達にDM送ったんだ笑」


 私に言うんだ?しかもこんな夜中に…


「なら、告っちゃえば!私、具合悪いの。それに今、何時だと思ってるわけ!いい加減にしてよ!くだらない。」


 高熱も手伝ってやけに攻撃的なLINEになってしまった。


「ごめん」


「じゃね。明日は学校いけそうだから。じゃ」


 すぐに


「なぁ、早希は」


 ん?


 早希は、何?


「俺の事どう思ってた?」


 なぜ過去形?


「なんでさっきから過去形なのよ‪w‪wただの男友だちのひとりよ!」


「好きだよ」


「なんか変な薬でも飲んだの?‪w‪w」


 それから真也からは返信は来なかった。


「好きだよ」


 初めて男友だちから好きと言われた。


 何故か、鼓動が早くなるのに気づいた。

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