第4話
詞の墓前に来ていた。肌を焼くような暑さで汗が溢れてくる。
あの練習試合以降、監督の目に止まったのか控えのメンバーに入ることになった。運動量を買われての事だろう。
指示された相手選手に何度やられても食らいつく。またはフォローに走り、クロスが上がりそうならゴール前に駆け込む。とにかく走り続けてきた。
明日はスタメンで起用される。詞にその報告を聞かせてやりたかった。
ザー…ザー…ザー…
突然、雨が振りだしてきた。もともと汗で濡れていたから良いか、と俺はその場に留まった。
数分立つと雨は上がった。どうやら天気雨だったらしい。空を見上げると帰りの方向に虹が掛かっているのが見えた。
「また来るよ。」
俺は墓に背を向けて歩き出した。
空に走る あきかん @Gomibako
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます