第6話



ちゅん、ちゅん...



小鳥のさえずりが僕の意識を呼び戻した。


気がつくと夜が明けていた。目の前に映るパソコンの画面には僕の全てがある。どうやら、寝落ちしてしまったようだ。


どこか僕は夢見心地で、まるですべてが夢のようだ。全部本物なのに、全部が偽物のようにさえ思えてしまうほど。


悪あがきと呼べるものはできたのではなかろうか。


「僕の成すべきこと」


僕の幸福は確かに今ここにある。

今、起きたばかりだというのにやけに瞼が重い。どうやらもうひと眠り必要なようだ。

意識が途絶える最後の一瞬、温もりに包まれたような気がして、その安心感に僕は笑みをこぼした。


そしてまた、僕は静かに眠りについた。


君を思って。











開けられた窓に、カーテンが靡いている。そこからは心地よい風が流れ込んでくる。


机に突っ伏して、安らかな表情で眠るあなたがいる。


そして私はあなたを包み込んで、こう言うのだ。










――――って。







fin.

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死にたがりだった僕と生きたがりだった君、そして...... 無依 @kuzukuma832

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