番外編5 緑髪の少女に恋をした俺4
「んんっ......ふぁぁぁ......」
可愛い欠伸が家の中に響く中、俺はフィンに勉強を教えようかと思った。
というかその欠伸はフィンのものだった。
「あのさ、フィンに勉強とか教えようかなって思ったんだけど......」
「うん、良いと思うけど......でも、どうやって教える?」
そこなんだよな......。
結局、教えようと思っても、俺はそもそも教員じゃないしただの一般人なのでどう教えたらいいか分からない。
「......?」
俺はフィンを見ると、フィンは首をかしげていた。
「――それで、これがこう?」
「うん、そうだよ。やっぱり学習能力はあるんだな」
「えへへ......」
俺は、フィンの頭を撫でてやると、フィンは嬉しそうにしていた。
今していることは、学校で習うような算数、国語を主にやっている。
というより、国語の方がやっていく方がいいと気づいたので、今国語の勉強をしている所。
「よしっと、これぐらいでいいかな......フィン、自己紹介してみて」
「あ、うん......」
そして隣には燐が。
フィンは一度深呼吸をして、自己紹介を始めた。
「えっと、わ、わたしはふぃんといいます。ええと、すきなものは......にんげんですっ。で、とくぎは、ひとのなかにまぎれこむこと?です」
「おお......」
「わー、すごいすごいー!」
俺と燐は、フィンに大きな拍手を送る。
「あ、ありがとう、ございました......?」
「よくできたな!」
「うんっ......!」
そして俺はフィンの頭をもう一度撫でてあげた。
学習能力は高い方なので、これぐらいは出来るだろうと思っていたのだが、想像以上に早く出来てしまい自分自身もびっくりしている。
「これも、おにいちゃんのおかげ......」
頭を撫でられながら、フィンは言葉を漏らす。
「そんなことないって、一番は元々学習能力がある方がすごいよ」
俺はフィンが漏らした言葉はしっかりと聞いていた。
「そう、かな......?」
「うん、フィンが一番すごいよ」
「あ、えへへ......そんなふうにいわれると、どうかえしたらいいかわからなく、なっちゃうよぅ......」
フィンの頭を撫でているとき、燐はその光景を羨ましそうに眺めていた。
フィンは可愛い子だ。
燐とフィン、どっちがいいかと言われると決められないぐらい可愛い。
元々は緑髪だったが、さっき燐がフィンを風呂場へと連れて行き、黒髪に染めたらしい。
緑髪も良かったけど、黒髪もまたいい。
黒髪だと、どことなくおとなしそうで、あまり口数が少ない印象である。
まあでも、実際には活発な子で、口数は少ないとは言えない。
燐とどこが違うかというと、もちろん髪の色は違うのだが......それよりも中身、つまり性格の部分。
燐の性格としては、少し人見知りな部分がある。
それに対してフィンは、誰とでも接することができる。
そりゃあそうだろう。
なぜかというと元々は、モンスターとしてやってきたのだから。
「おにいちゃんっ」
ソファーに座っている俺に対して、フィンが俺に抱き着く。
「あっ、ずるーい!」
そして、燐もフィンに対抗するかのように俺に抱き着いてくる。
「......ふぅ、これも楽じゃない......」
小さなため息と小さな声でつぶやく俺氏であった。
妹よりも好きなものがある らかん @dipper36
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