第3話(解決編)
さて、ここからは解答編だ。読者諸君が正解に辿り着けたと期待している。
まず誰かが鉄板をガスコンロでアツアツにしてその上に大川をひっくり返した、という考えは三流である(実際に不可能だし考えた人はいないだろうが…)。まず大川を移動させようとした時点で気づかれ、おそらくぶち◯されるでしょう。
次に、本命である虫眼鏡が予想される。虫眼鏡で日光を集め、人肌の一点に集中させると火傷を引き起こす現象を用いて火傷を負わせることができる!
これで大川の火傷の事件は万事解決だ!!
犯人は横倉で決まり!
…という訳ではない。先ほどの方法だと横倉が火傷を負わせることは確かに可能である。しかし、同時に数十ヶ所の火傷を負わせることは考えられない。日光を集めやすい黒い物ならまだしも人肌にジリジリ数十ヶ所照らし続けるなど不可能である。おそらく1個か2個火傷を作ったあたりで大川は悲鳴をあげるだろう。ここに辿り着いた方は真実まであと一歩。非常に惜しい。
さて、いよいよこの事件の真相が明かされる。
謎を紐解く鍵となるのはアイスボックスである。このアイスボックスには飲み物がキンキンになるほどのドライアイスが入っていた。先ほどの虫眼鏡だけでなく、このドライアイスでも人体に火傷を負わせることはできる。そして、複数のドライアイスを同時に背中に落とした場合、数十ヶ所の火傷が発生する。そして真夏の日光の中で急速に二酸化炭素へと昇華し、事件後には何も残らない状況となる。大川が感じた肺の違和感は、昇華によって空気中に含まれた大量の二酸化炭素である。呼吸が少ししづらくなったに違いない。
つまり、クーラーボックスを運んでいた川野が真犯人である。
読者諸君、当てられただろうか?貴君の健闘に感謝して、この事件を終わりとする。
スマイルビーチの事件 @JK7gou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます