普段BL作品は読まないのですが、たまたま書籍化のバナーが目に入って読み始めました。重いです。始まりもストーリーもキャラクターたちの背景も関係性もすべてが重いです。その重さが全重量を乗せて読者の心をぶん殴ってくる快感はいっそ清々しいほど。まさに地獄の底からはじまる話ですが、苦しみの中に人間賛歌と愛情が詰まりに詰まっているように感じました。ぜひこの『面白さ』に殴られてみてください。
お互いに抱えたものを晒して、叩き潰しあってぶつかって、それで最後に残った強烈な愛に打ちのめされます。唯一無二な二人の関係が大好きです。
読了後、不思議な爽快感があります。冒頭の展開に、うわっキツいなと正直思いました。しかし読み進めると、二人の関係がグラデーションのように互いの欠けた部分を補い合うバディへと変わっていきます。その結…続きを読む
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(123文字)
悪いことをこんなに官能的に、酷いことをこんなに切実な祈りのように描いて、救われてこなかった人たちがお互いの魂のなかに生きていく意味を見つける、そういう物語だと思いました。本当に文章がいい。読む快楽が…続きを読む
もっと見る