第2話
「ゆう……と…?」
学校に糸が続いていると分かった時から彼だったら良いのに、と思っていたが、まさか本当にそうだとは思わなかった。
「ゆうと!」
名前を呼び、目の前に立つが、彼はおれの体をすり抜けていってしまう。糸がだらんと垂れる。
「そうだ、まだ昼だ。この時間じゃ、ゆうとにおれは視えない。」
黄昏にまた会いに来よう。きっといつも歩いた通学路を通る。それまでは時間がある。
特にすることもなく暇だったが、家に行こうとだけは思えなかった。心の隅にほんの少しの期待はあった。死んでも家族の誰かがおれに未練を残してくれているんじゃないかって。そしてこちらの世界に残された時、少し喜んだ。どんな色でも糸が繋がっていたことが嬉しかった。けれどその糸の先は家族ではなかった。
“ああやっぱり、おれのことなんてどうでもいいんだ。”
少しでも期待した自分が馬鹿だった。おれは家族の誰にも必要とされて居ないのだから。
空には青い星が瞬く @manatsu__
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。空には青い星が瞬くの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます