第2話
「ゆう……と…?」
学校に糸が続いていると分かった時から彼だったら良いのに、と思っていたが、まさか本当にそうだとは思わなかった。
「ゆうと!」
名前を呼び、目の前に立つが、彼はおれの体をすり抜けていってしまう。糸がだらんと垂れる。
「そうだ、まだ昼だ。この時間じゃ、ゆうとにおれは視えない。」
黄昏にまた会いに来よう。きっといつも歩いた通学路を通る。それまでは時間がある。
特にすることもなく暇だったが、家に行こうとだけは思えなかった。心の隅にほんの少しの期待はあった。死んでも家族の誰かがおれに未練を残してくれているんじゃないかって。そしてこちらの世界に残された時、少し喜んだ。どんな色でも糸が繋がっていたことが嬉しかった。けれどその糸の先は家族ではなかった。
“ああやっぱり、おれのことなんてどうでもいいんだ。”
少しでも期待した自分が馬鹿だった。おれは家族の誰にも必要とされて居ないのだから。
空には青い星が瞬く @manatsu__
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