空には青い星が瞬く

@manatsu__

第1話

おれは自ら死を選んだ。人間関係も、

叶わない片想いも、全てが嫌になった。

だから学校の屋上から飛び降りた。


そして死んだ………はずだった。



すんなりと逝けると思ったのに、おれは此方の世界に残された。腕には赤い糸が一本、巻きついている。生きている間一度も告白なんてされたこともしたこともなかったおれに、まさか赤い糸が結ばれるなんて思いもしなかった。


誰に繋がっているのだろうと不思議に思いながらその糸を辿ってみることにした。


途中でおれの家の前を通ったが、どの窓もカーテンが閉められ、家全体が眠っているようだった。

“おれのせいなのか…”

胸がチクリと痛む。

糸が繋がっている腕をぼんやりと眺め、また歩き出した。


こうして歩いていると、不思議だ。いつも人の目を気にして歩いていた道が以前より明るく見える。前を向いて歩くのはいつぶりだろう。楽しくなって上機嫌で歩いていると、昨日まで通っていた学校に着いた。まさか学校の中におれのことを好きでいてくれた人がいたなんて思いもしなかったので驚いた。


校舎の中に入ると、昼のチャイムが鳴り生徒がわらわらと出てきた。クラスメイトの何人かとすれ違ったが、おれが死んだことなんてどうても良いようで、担任の話が長かったと愚痴を言いながら通り過ぎていった。

やっぱりおれはどうでもいい存在だったんだ。重々分かっていたことだ。それでも落ち込んでいると、腕に巻かれた糸がピン、と張った。近くに居るんだ。糸の先を目で辿ると、


「ゆう……と…?」


それは片思いの相手だった。

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