目に見えない光 少女の光を探す旅 第3話 ミレイの光
オシャレカフェAtsu
目に見えない光 少女の光を探す旅 第3話 ミレイの光
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2030年8月5日 今日も朝起きると、ミナが隣で寝ていた。
いつもの様にカーテンと窓を開け、大空に向かって『おはよー。』と大きな声で言った。
私はこの町が単純に気にいっていた。今日で、ここに来て3日目。
今日の朝、気分は最高。昨日の余韻、昨日の記憶が鮮明に残っている。
あのキレイな女性に、また会いたい。学校が始まらない事に、いら立ちを覚えるぐらいだ。
『お姉ちゃん、おはよう。今、何時なの?』
『おはよう、ミナ。7時過ぎよ。昨日の事は、私たちだけの秘密よ。』
『お姉ちゃん、早く学校に行きたいよ。ねえ、今日も小学校行くんでしょう?』
『そうね。ミナ、ママにお弁当作ってもらわない?お弁当持って、小学校で食べよう。ピクニック気分で、なんかいいでしょう?』
『ピクニック。やったー。ねえ早く下に降りよう。』
私たちは、ママに『おはよう』って同時に挨拶した。
『二人揃って、おはよう。昨日も二人で寝たの?今日の朝はフルーツボールよ。スイカの種取ったんだから。』
『ありがとう。ねえ、ママ。今日のお昼お弁当がいいな。ミナと、お外で、ピクニックしながら、食べたいの。』
『ねえ、ミナ?』
ミナはオレンジジュースを飲みながら、うなずいた。
『あら、楽しそうね。いいわよ。ママも一緒に行っちゃおーかな。』
『ママは、やる事あるでしょ。ダメ。お父さんとお兄ちゃんは?』
『さっき、出かけたわ。男子組は、行動が早いから。』
私たちは、お弁当をお気に入りのバックに入れ、水のペットボトルも入れた。
そして、昨日と同じ道のりを歩き出した。
中間地点で、こないだの男の子が自転車で、私たちの方に走って向かって来る。
そして目の前で、止まった。
『ねえ、君達もしかして、転校生?』
『そうよ。3日前から、引っ越してきたの。』
『俺の名前はなつき。君たちの名前は?』
『ミレイとメイよ。』
『二人ともキレイな名前だね。よろしく。』
ナツキは二人の前から、消えていく。
『ねえ、お姉ちゃん、キレイな名前だって。』
『そうね。』
ナツキは整った顔をして、センスのある服を着ていた。田舎の子特有な感じがしない。
『小学校が始まればすぐにわかるわ。年齢やクラスが。』
『ねえ、お姉ちゃん、学校見えてきたわ。昨日のキレイな女性の人が私達合格だって。すぐにわかるわ。って言ってたよね。』
その女性は、微笑みながら、私達に近ずいて、私とミナの頭に手を置いた。
体が浮かんでいる見たく、軽く、温かく何かに包まれている気持ちになった。
そう、ママのお腹の中にいた時のような、安心感がそこにはあった。
『ねえ、ミナ、あの女性、私は好きよ。憧れるわ。見た瞬間、太陽のような光をまとっていなかった。魅力的な光だったわ。』
『私も大好きよ。ママに似てるし。眩しすぎてて、石鹸のような、お風呂上りの香りがした。触られただけで、胸の中が熱くなった。』
校門に着くと、また良い香りが漂ってきた。
『ミナ、誰も居なそうだわ。そうだ、昨日プールがあるか、確認しなかったじゃん』
『うん、お姉ちゃん、行こー。』
私達は、自然に足が動き、軽やかな足取りで校門に入った。
『ほんと、キレイよね。』
『ねえ、お姉ちゃん、なんだか別の世界に来た感じだね。』
大きな正面玄関に着くと、私はプールがどこにありそうか、探し始めた。
『ねえ、ミナ。今日は、校庭すべて見よう。なにか新しい発見あるわ。』
『うん、校庭の端から端までね。行こー。プールが早くみたいわ。』
歩き始めて最初に見たのは、大きなテニスコート。
『ミナ、左見て。テニスコートよ。あれ、あの人だわ。』
『お姉ちゃん、え、あの人、羽が生えてるの?真っ白だわ。行こー。』
私とミナは、編み目のドアを開け、中に入った。
キレイな女性は、私達を見て微笑んでいる。
『待ってたわ。ミレイ、ミナ。こっちへ来て。』
『え、なんで私達がここへ来るのがわかったの?』
『とりあえず、お弁当が入ったリックを、そこの椅子へ置いてきてくれるかしら。』
大きなピクニックテーブルに、私達はリックを置いた。
『あの、お名前を聞いてもよろしいですか?なぜ私達の名前知っているんですか?』
『私はEよ。E様って呼んでもらえる?』
え、イー様、アルファベットのEかしら。とミレイは思った。
『そうよ。まず、練習だわ。二人とも目を閉じて見て。なにが見える?』
『え、私とミナとナツキが道で話してるわ。不思議と見える、分かるわ。さっきの出来事だわ。ミナは?』
『私は、赤い箱のガーナチョコを部屋で食べてるわ。昨日の夜の私の部屋だわ。』
『ミナ、少しチョコ分けるって言ってなかった?』
『だって、ガーナチョコが美味しすぎるからだわ。』
『二人は仲良いのね。ますます気に入ったわ。そうよ。ミレイとミナ、あなた達は、光を操れるタイプの子達よ。不思議な力みたいなものね。』
『え、光。本当なの。』
私はミナを、見た。
ミナが輝いて見えた。
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