この短編は、冬月えみ 1st album ”カラフル” track.1 収録“和ぎ"の作詞をさせていただくにあたって書き下ろしたものです。


歌詞原案


和ぎ(なぎ)



新しい靴 青い空の下

助手席に乗り込む

どこへ行こうか 君は微笑む

どこでもいいよ 君と一緒なら


漁火通りを東へ走る

当てもなくただひたすら

鴎の鳴き声 穏やかな波

窓を開けて 潮の香りかいで


照りつける日差し真っ白に

照らされる膝小僧

日焼けするぞ かけてくれたジャケット

微かな温もり



山の上から見える 夜景が綺麗だね

でもちょっと寒いね

次はどこへ行こう


夜の海は黒く深くて

波の音が穏やかに繰り返す

ずっとこうやって いられたらいいな

真っ直ぐ前を見て 時々笑って


ふと見上げた空に誰かが

打ち上げた小さな花火

短い夏を惜しむみたいに

微かな火薬の匂い



寄せては返す波の音

いつまでも変わらずに

闇の中を飛ぶ鴎 そろそろ窓を閉めて

そこの交差点はどうする? 真っ直ぐかな


車を止めて 買ってきてくれた

ココアが温かくて甘くて

君とふたり 分けあいながら

止め処もないお喋りは続き


凪いだ海 遠くの船の漁火

ボートがひいていく澪

見上げた空には 満天の星

隣にはステアを握る 君の横顔

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

港町の短い夏の一日 巴乃 清 @sakuyuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ